『ナチス第三の男』あらすじ,ネタバレ,キャスト,解説,感想

親衛隊を閲兵するハイドリヒ Jason Clarke/HEYDRICH
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ナチス関連の映画が観たいのですが、おすすめはありますか。

あなたのそんな要望にお答えします。

いくつかありますが、今回はナチスのナンバー3で「金髪の野獣」と称されたラインハルト・ハイドリ匕の半生と彼の暗殺を描いた『ナチス第三の男』を紹介します。

ドイツ海軍のエリート軍人だったハイドリヒが、なぜナチ党員になり、残虐性を高めて行ったのか。

どのようにハイドリヒが、ユダヤ人抹殺を率先するようになって行ったのか。

また、ハイドリヒはナチス唯一暗殺された高官だが、なぜ、どのように殺害されたのか。

原作は、フランスの権威ある文学賞ゴンクール賞を受賞し、25カ国で翻訳されたローラン・ビネのベストセラー『HHhH プラハ、1942年』です。

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『ナチス第三の男』あらすじ

その冷酷非道さから「金髪の野獣」と呼ばれたナチスのナンバー3、ラインハルト・ハイドリヒ。

海軍兵士だった彼はなぜナチスドイツに入党し、多くのユダヤ人を虐殺した首謀者となってしまったのか。

映画『ナチス第三の男』は、そのハイドリヒの半生に重きをおいてを描く。

イギリスの、チェコスロバキア亡命政府の命令によって数人のパラシュート部隊がチェコ国内に送り込まれる。

その目的は、ハイドリヒ暗殺だった。

『ナチス第三の男』解説

ナチス第三帝国でヒトラー、ヒムラーに次ぐ、「金髪の野獣」と呼ばれたラインハルト・ハイドリ匕。

彼の暗殺は、いかに計画され、誰が実行し、どんな結末を迎えたか。本作は、フランスの権威ある文学賞をゴンクール賞を受賞し、25カ国で翻訳されたローラン・ビネのベストセラー『HHhH プラハ、1942年』の映画化だ。

HHhHとはドイツ語のHimmlers Hirn heißt Heydrich(ヒムラーの頭脳、すなわちハイドリヒ)の頭文字をとったもの。

ヒムラーとはヒトラーの側近でナチスのナンバー2だったハインリヒ・ヒムラーのことだ。

彼の暗殺を計画・実行したのは、チャーチル首相率いる英国政府とチェコスロバキア亡命政権で、亡命軍から選抜された兵士がプラハに潜入し、ハイドリヒを襲い、死亡させるという作戦であり、「エンスラポイド作戦」と名付けられていた。

実在したハイドリヒは、身長191㎝と長身で、金髪、知的で、「野獣」と恐れられた面影は感じられない。

そんなハイドリヒが残酷非道な「野獣」に変身して行った過程が描かれる。

これまでもハイドリヒ暗殺は、何度も映画化されている。ドイツの名匠フリッツ・ラングがアメリカに亡命して制作した『死刑執行人もまた死す』(1943)、ルイス・ギルバートの『暁の7人』(1975)、ショーン・エリスの『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』(2016)などだ。

ナチス高官暗殺で唯一成功した例ということもあって、なぜか人はハイドリヒとその暗殺に惹かれるようだが、
『ナチス第三の男』はこれまでの映画と違って、「エンスラポイド作戦」による暗殺だけでなくハイドリヒ自身に焦点を当てている。

現在のドイツ

『ナチス第三の男』予告篇(YouTube)

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『ナチス第三の男』を観た感想

筆者自身は、はっきり言って暗殺自体には余り興味がない。

ユダヤ人を地上から完全に抹殺しようと企んだ酷(むご)く非道なハイドリヒという男に対する興味ゆえにこの映画を観た。

人はどこまで残酷たり得るのか。

音楽家の家に生まれ、フェンシングとバイオリンを愛する文武両道の海軍のエリートが、なぜナチ党員となり、残酷な人間と化していったのか。

ハイドリヒが特殊なのでなく、状況によっては誰もがハイドリヒになり得るのではなかろうか。

筆者の興味はそこにあり、この映画は彼の半生に焦点を当てているが故に筆者の興味を惹きつけたのだ。

ハイドリヒ暗殺そのもののスリルやディテールを味わいたい方には『ハイドリヒを撃て』をおすすめする。

筆者自身もこの映画を観たことで『ハイドリヒを撃て』を観ることになった。

『ナチス第三の男』で、ハイドリヒを演じたのはジェイソン・クラーク(Jason Clarke )。オーストラリア出身の俳優だ。『華麗なるギャツビー』、『ファースト・マン』などで知られる。

彼をナチに導く美人妻リナ役はロザムンド・パイク(Rosamund Pike )。イギリス出身の女優だ。『007 ダイ・アナザー・デイ』のボンドガールとして知られる。『ゴーン・ガール』では非常に高い評価を受け、数々の批評家協会賞を受賞。ゴールデングローブ賞、全米映画俳優組合賞、アカデミー主演女優賞にノミネートされた。

この2人の演技は秀逸だ。

ハイドリヒとリナがどんな人間だったか本当には分からないが、2人の演技には、そういう人間だったと思わせる説得力がある。

ハイドリヒが病院で最期を迎える直前、父親が書いたオペラの一説『この世は手回しオルガン。神が奏でるオルガンの調べに合わせて皆踊る』を思い出す場面が印象に残った。

ヒムラーは(どこぞの国の黒電話ではないが)あの髪型にすれば皆ヒムラーに見える、と言えなくもないが、スティーヴン・グレアム(Stephen Graham)が、好演。

一方、ハイドリヒ殺害を企てるヤンとヨゼフは今一つ存在感が薄く感じられた。

第一、筆者には2人の顔の区別がなかなか出来なかった。

何度観ても分からず、ようやく見分け法に気がついたのは頭髪が左分けか右分けか。

右分けがヤン、左分けがヨゼフ。

しかし防止を被られるとまた識別できなくてこの原稿で二人の部分を書くのはたんへんだった。

『ハイドリヒを撃て!』のように、明確に区別できる顔を選んでほしかった。

ヤンとヨゼフ2以外にも、パラシュート部隊員や現地の協力者たちの区別が難しかった。

この映画は暗殺に重きを置いてないせいだろうか、レジスタンス側の俳優の存在感が薄い。

ハイドリヒ暗殺について詳しく知りたい方には次の映画をおすすめ!

『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』(チェコ・英・仏合作)

\『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』を観るなら/

実際の主要人物と場所の写真

ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ(Reinhard Tristan Eugen Heydrich, 1904年3月7日 – 1942年6月4日)
ハインリヒ・ルイトポルト・ヒムラー(ドイツ語: Heinrich Luitpold Himmler、1900年10月7日 – 1945年5月23日)
ヤン・クビシュ(Jan Kubiš 1913年6月24日 – 1942年6月18日)
ヨゼフ・ガプチーク(Jozef Gabčík、1912年4月8日 – 1942年6月18日)
襲撃に遭ったハイドリヒのメルセデス・ベンツ
銃撃戦の舞台となったチェコのプラハにある「聖ツィリル・メトデイ正教大聖堂」 Photo by Ludek(Wikipedia)
立てこもった地下室の窓と、その上に設けられた実行者達を記念する銘板。窓の周りに銃撃の跡が残っている。photo by Honza Groh(Wikupedia)

『ナチス第三の男』映画データ

題名:『ナチス第三の男』(原題:HHhH、英題:The Man with the Iron Heart)
上映時間:120分
公開:2017年6月7日
製作国:フランス、イギリス、ベルギー
年齢制限 R+15

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原作者データ

ローラン・ビネ(フランス語: Laurent Binet、1972年7月19日 – )

フランスの小説家。1972年、フランス・パリで生まれ。パリ大学で現代文学を修め、兵役でフランス語教師としてスロヴァキアに赴任。その後、パリ第3大学、パリ第8大学で教鞭をとった。2000年に Forces et faiblesses de nos muqueuses(我々の粘膜の強さと弱さ)でデビュー。2010年に発表した HHhH は高い評価を受け、2010年度のゴンクール賞最優秀新人賞と、2011年のリーヴル・ド・ポッシュ読者大賞を受賞した。また、英語訳版は英米各紙で絶賛され、ニューヨーク・タイムズの「100 Notable Books of 2012」に選ばれた。日本語版は2013年に出版され、本屋大賞翻訳小説部門で1位に選ばれるなど日本国内でも高い評価を受けた。同作は2017年に映画化された(邦題『ナチス第三の男』)。2015年には La Septième Fonction du langage(言語の第七の機能)でアンテラリエ賞受賞。

引用元:Wikipedia

『ナチス第三の男』キャスト

ラインハルト・ハイドリヒ(Reinhard Heydrich): ジェイソン・クラーク(Jason Clarke)1969年7月17日生まれ。オーストラリア出身の俳優。主な作品:『デス・レース』『ゼロ・ダーク・サーティ』『華麗なるギャツビー』『ホワイトハウス・ダウン』『猿の惑星: 新世紀』『ターミネーター:新起動/ジェニシス』『エベレスト 3D』『マッドバウンド 哀しき友情』『ファースト・マン』


リナ・ハイドリヒ(Lina Von Osten): ロザムンド・パイク(Rosamund Pike)1979年1月27日生まれ。イギリス出身の女優。主な作品:『007 ダイ・アナザー・デイ』『プライドと偏見』『アウトロー』『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』『ゴーン・ガール』『プライベート・ウォー』


ハインリヒ・ヒムラー: スティーヴン・グレアム(Stephen Graham) 1973年8月3日生まれ。イギリス出身の俳優。主な作品:『パブリック・エネミーズ』『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ『アイリッシュマン』

ヤン・クビシュ(Jan Kubis): ジャック・オコンネル(Jack O’Connell)1990年8月1日生まれ。イギリス出身の俳優。主な作品:『300 〈スリーハンドレッド〉 〜帝国の進撃〜』『不屈の男 アンブロークン』


ヨゼフ・ガプチーク(Jozef Gabcík): ジャック・レイナー(Jack Reynor)1992年1月23日生まれ。アイルランド出身の俳優。主な作品:『リチャードの秘密』『トランスフォーマー/ロストエイジ』『シング・ストリート 未来へのうた』『ミッドサマー』


アンナ・ノヴァク(Anna Novak): ミア・ワシコウスカ(Mia Wasikowska,)1989年10月14日生まれ。オーストラリア出身の女優。主な作品:『アリス・イン・ワンダーランド』

その他のキャスト
ヴァーツラフ・モラヴェク: ジル・ルルーシュ
ヨゼフ・ヴァルチーク: トム・ライト
アドルフ・オパールカ: エンツォ・チレンティ
ハインリヒ・ミュラー: ジェフ・ベル
ヴァルター・シェレンベルク: フォルカー・ブルック
カール・ヘルマン・フランク: バリー・アツマ
クラウス・ハイドリヒ: デラエット・イグナセ
アタ・モラヴェク: ノア・ジュープ

クリエイター

監督:セドリック・ヒメネス(Cédric Jimenez)1976年6月26日生まれ。フランスの映画監督、脚本家。
脚本:デヴィッド・ファー(David Farr)、オードリー・ディワン(Audrey Diwan)、セドリック・ヒメネス(Cédric Jimenez)
原作:ローラン・ビネ(Laurent Binet)『HHhH プラハ、1942年』
エグゼクティブ・プロデューサー:Daniel Delume、Doug Mankoff
プロデューサー:アライン・ゴールドマン(Alain Goldman)、ダニエル・クラウン(Daniel Crown)
撮影:ローレント・タンジー(Laurent Tangy)

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