『ヒトラー 〜最期の12日間〜』あらすじ,キャスト,解説,感想

本物のヒトラーはかくありなんと思わせるブルーノ・ガンツの名演技
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ナチス・ドイツ第三帝国を率いた独裁者ヒトラーの「最期の12日間」をドイツ語で描き、制作国のドイツにおいても大反響を巻き起こし、米アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた衝撃作。ヒトラーの女性秘書がヒトラーやナチス幹部たちとと地下壕で過ごした最後の12日間と脱出を回想する。

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『ヒトラー最期の12日間』あらすじ

ヒトラー個人秘書の面接にやって来た候補者の女性たち。ユンゲは右端

タイトルどおりヒトラーが妻のエヴァとともに自殺するまでの12日間を描いた映画。

この映画は新しく雇われた女性秘書トラウドゥル・ユンゲ(旧姓フンプス)の「若い頃の自分を諌めたい。何も知らなかったから許されるということはないのだから」という回想で始まる。

時は遡り1942年11月真夜中、トラウドゥルは、ナチス党総統ヒトラーの個人秘書募集に応じて東プロイセンのラステンブルクにある総統大本営ヴォルフスシャンツェ(狼の巣)を訪れ、ヒトラーの直接の面接を受ける。

ミュンヘン出身でタイプライターを打てる彼女をヒトラーは気に入って採用を決める。

時は進み1945年4月20日のベルリン、トラウドゥルはヒトラー総統の愛人エヴァ・ブラウンや先輩秘書官のゲルダ・クリスティアン、総統地下壕の同僚らとともに、ヒトラー総統の56回めの誕生日を祝う準備を進めていた。

しかし、ソ連軍はすでにベルリン近郊に迫っており、ドイツの敗北は時間の問題と言えた。

誕生日だというのに砲撃を近くに浴び、敵は12キロにまで迫って来ているかもしれない。

そんな中、各地からナチスの高官たちが誕生祝賀パーティーに集まった。

ヒトラー総統の誕生日を祝うため集まったナチスの幹部たち

全省庁と軍部署は書類を焼き払って撤退を始めた。

全省庁と軍部署は撤退せよとの命令で書類は焼却

ヒムラーは外交で対処すべきだとヒトラーに訴えるがヒトラーは、「うんざりだ。私の死後やれ。忠臣ハインリヒ(ヒムラーのファーストネーム)」と却下。

ヒムラーの副官フェーゲラインは、「禁酒禁煙の菜食主義者に今さら期待しても」とまで言う始末。

ヒムラーはアイゼンハワー米大統領と接触中であることをフェーゲラインに打ち明けるが、フェーゲラインは、「慎重に。反逆罪ですよ」と答える。

また、最高幹部たちが口々にベルリン脱出をヒトラーに進言するが、「ベルリンで成果を得る。さもなくば死を」と、ヒトラーは聞く耳を持たなかった。

建築家でシュペーア軍需大臣が設計した都市モデル。ヒトラーは、「君は天才だ」と称賛。「芸術文化の宝庫として何千年も栄える、今に残る古代都市アクロポリス、大聖堂の聳える中世都市、そういうものを築きたい、シュペーア、それが私の夢だった」

当時のヒトラーは、迫りくるソ連軍から身を守るため、ごく限られた身内や側近たちと共にドイツ首相官邸の地下にある要塞に籠もっていた。

もはや敗戦を疑う者はいなかったが、正常な判断力を失ったヒトラーだけは大逆転を夢想し、わずかに残った軍勢に戦況の挽回を命じ、惨状をさらに悪化させてゆくのだった。

が、その頃のベルリン市内はソ連の攻撃を受け、悲惨な状況にあった。

ソ連の攻撃に勇敢に立ち向かうヒトラー・ユーゲントの少年兵たちを祝福するヒトラー

狂気の独裁者を前に選択を迫られる側近たちは、最期まで運命をともにしようとする者もいれば、逃亡を謀る者、酒と享楽に溺れて現実逃避する者などもいた。

やがて側近たちの逃亡、裏切りが相次ぎ、ヒトラーは最終決戦を決意する。

しかしドイツ軍にはすでに壊滅的な状況にあり、そんな余力を残してはいなかった。

ヒトラーはカイテル元帥、ヨードル上級大将、クレープス参謀総長、ブルクドルフ将軍を部屋に残し、「陸軍の将軍たちは、どいるもこいつも下劣で臆病者だ」と怒て叫ぶ。「あまりの侮辱です」とクレーブスは反論するがヒトラーの怒りは収まらない。

言うだけ言ってようやく静かになったヒトラーは、「もう終わりだ。だがベルリンを去るくらいなら頭を撃ち抜く」と言って譲らない。

部屋を出たヒトラーは、秘書のトラウドゥルとクリスチアンに1時間後の飛行機で逃げるよう告げる。

「私は最後まで残るわ」という愛人エヴァにキスするヒトラー

ようやく敗北を覚悟したヒトラーは、愛人エヴァ・ブラウンと簡素な結婚式を挙げ、翌日、自室において拳銃自殺する。

ドイツ第三帝国の末路を見届けたトラウドゥルは、数少ない生き残りと共に、地下要塞を後にした。

そんな一部始終を間近で目撃していたヒトラー総統個人秘書のトラウドゥルは、ある日、ヒトラーから遺書の口述筆記を依頼される―。

『ヒトラー最期の12日間』解説

公開時の2004年バンビ賞、2005年ドイツ・アカデミー賞最優秀男優賞、最優秀製作賞、観客賞などを受賞、ドイツでは一つの事件として大きな社会現象を巻き起こし、米アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた衝撃作。

迫りくるソ連軍とその砲火の中、ヒトラー総統夫妻の最期のみならず、ナチス・ドイツ国防軍の軍人やSS(親衛隊)の隊員が迎える末路、宣伝相ヨーゼフ・ゲッベルス一家の悲劇、老若男女を問わず戦火に巻き込まれるベルリン市民の姿も描かれる。

『ヒトラー最期の12日間』感想

ヒトラーに扮したブルーノ・ガンツは、本当のヒトラーに見えて来ますね、本当のヒトラーって知らないけど。

ナチスの幹部たちが次々と出て来て、誰が誰だかさっぱり分かりませんが、余程のマニアでない限りは分かる必要はないでしょう。

勲章の数とかでお偉いさんの度合いを何となく測るくらいで良いと思います。

ナチスNo.2のヒムラーはあの髪型ですぐ分かりますが、この映画ではさほど重要な位置にいません。

下のキャスト欄に紹介しているように、ヒトラー総統と愛人エヴァ(自害の直前は妻)、秘書のトラウドゥル・ユンゲ(旧姓フンプス)、ゲッベルス夫妻、エヴァの義弟のフェーゲライン、建築家のシュペーア軍需大臣、軍医のシェンク親衛隊大佐が分かれば十分でしょう。

この映画を観ているとついヒトラー夫妻や自決した将軍らに、特に子どもたちも巻き添えにして、青酸カリと銃でいわゆる無理心中をしたゲッベルス大臣夫妻や、手榴弾で一家心中したグラヴィッツ大将などには、ついつい感情移入して同情してしまいそうですが、彼らは大量虐殺を行った張本人なわけで、同情は禁物。と思いつつも、やはり…。

結局、戦争はどちらの側にも悲劇をもたらすということです。

『ヒトラー最期の12日間』予告篇(You Tube)

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『ヒトラー最期の12日間』データ

ドイツ語のポスター

題名 『ヒトラー最期の12日間』(原題:Der Untergang、英題:Downfall)原題はドイツ語で「失脚」「没落」の意。
原作 ヨアヒム・フェスト( Joachim Fest)著『ヒトラー最期の12日間』、トラウドゥル・ユンゲ(Traudl Junge)回想録『私はヒトラー秘書だった』
公開年 2004年9月16日(ドイツ)
製作国 ドイツ、イタリア、オーストリア
上映時間 155分
製作費 €13,500,000

『ヒトラー最期の12日間』キャスト

アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler、総統) ブルーノ・ガンツ(Bruno Ganz) 出演作『ベルリン・天使の詩』

トラウドゥル・ユンゲ(Traudl Junge、総統個人秘書官)アレクサンドラ・マリア・ララ(Alexandra Maria Lara)出演作『トンネル」

エヴァ・ブラウン(Eva Braun、ヒトラーの愛人、妻) ユリアーネ・ケーラー(Juliane Köhler)出演作『名もなきアフリカの地で』

ヘルマン・フェーゲライン(Thomas Kretschmann、親衛隊中将、エヴァの義弟) トーマス・クレッチマン(Thomas Kretschman)出演作『バイオハザードIIアポカリプス』

ヨーゼフ・ゲッベルス(Joseph Goebbels、宣伝相) ウルリッヒ・マテス(Ulrich Matthes)

マクダ・ゲッベルス(Magda Goebbels、ゲッベルス夫人) コリンナ・ハルフォーフ(Corinna Harfouch)

アルベルト・シュペーア(Albert Speer、軍需大臣) ハイノ・フェルヒ(Heino Ferch)

エルンスト=ギュンター・シェンク(Ernst Günther Schenck、親衛隊大佐、軍医 ) クリスチャン・ベルケル(Christian Berkel)

『ヒトラー最期の12日間』クリエイター

監督 オリヴァー・ヒルシュピーゲル(Oliver Hirschbiegel)『es』の監督
プロデューサー ベルント・アイヒンガー(Bernd Eichinger)「バイオハザード」シリーズ(製作のみ)
脚本 ベルント・アイヒンガー(Bernd Eichinger)
音楽 ステファン・ツァハリアス(Stephan Zacharias)
撮影 ライナー・クラウスマン(Rainer Klausmann)『es』
編集 ハンス・ファンク(Hans Funck)

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