『シンドラーのリスト』あらすじ(ネタバレ)と感想。赤い服の謎[ナチス映画]

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© Universal Pictures(以下同)
はてなちゃん

本当に心に残る名作を観たいので紹介してください。

そんなあなたのご要望にお応えします。

それは、『シンドラーのリスト』です。

モノクロで3時間以上の映画と聞くと尻込みする人がいますが、

苦痛でも退屈でもなく、あっという間です。

ナチスが作ったユダヤ人居住区(ゲットー)や収容所を舞台に、ある1人の事業家が1,100人のユダヤ人を救った実話をもとに、あのスピルバーグ監督が映画化した不朽の名作です。

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『シンドラーのリスト』あらすじ

ポーランドのクラクフ

1939年、ナチスドイツ占領下のポーランド。

戦争を利用して一儲けしようという野望を抱くドイツ人実業家シンドラーは、ナチ党員になって軍の幹部に取り入り、ナチスがユダヤ人から没収した琺瑯(ほうろう)容器工場を払い下げてもらう。

ゲットーにいるユダヤ人の優秀な計理士シュターンをスカウトし、軍需工場を立ち上げる。

安価な労働力としてユダヤ人たちを雇い入れ、実務はシュターンに任せ、社交的で女好きな自分はひたすらナチスの将校を接待し、賄賂を渡す役に徹する。

事業は軌道に乗り、規模を拡大してゆく。

しかし一方、ナチスによるユダヤ人殺害は日ごとにエスカレートし、ついに大量虐殺が始まる。

ユダヤ人従業員と親交を深めて行くうちに、次第に彼らが遭遇する凄惨な光景に胸を痛めるようになって行く。

いつしか彼らの命を、私財を擲(なげう)ってでも救おうと密かに決意するのだった。

『シンドラーのリスト』解説

演技の指示を出すスプルバーグ監督

スピルバーグが長年あたためていたT・キニーリーの原作を1993年、遂に映画化。

ナチスのホロコーストは今や広く知られているが、実話に基づいた映画として目の前にまざまざと生々しく提示し、そんな状況下、1人のドイツ人ナチ党員の実業家シンドラーが、1,100人のユダヤ人を救った話だ。

本作は、アカデミー賞7部門(作品・監督・脚色・撮影・編集・美術・作曲)に輝いた。

これが実話である事に愕然とし、心を打たれるが、3時間を超す長尺にもかかわらず、まったく飽きさせないスピルバーグの構成力・演出力には感嘆する。

同時期に本作とは対照的な大娯楽作『ジュラシック・パーク』をスピルバーグは製作している。

娯楽作を成功させて来たからこそ、こうした芸術映画を作ることができたわけで、スピルバーグの懐の大きさ、バランス感覚の良さを感じる。

『シンドラーのリスト』主な登場人物

オスカー・シンドラー(リーアム・ニーソン)
ドイツ人でナチ党員の、社交的で女好きな実業家。故郷はチェコのブリンリッツだが、ポーランドのクラクフへ出て、琺瑯鍋工場を買い取り、ドイツ軍相手に軍需工場を始める。賃金が安いという理由でユダヤ人を雇い始めるが、彼らと親交を深めるうちに彼らを助けたいと思うようになる。

イザック・シュターン(ベン・キングズレー)
ユダヤ人だが、計理士としての腕を買われ、シンドラーにスカウトされる。シンドラーの右腕となり、経営面を任される。1人でも多くの同胞を助けるため、書類を捏造してナチに殺されそうな弱者を優先的に工場の従業員にする。

アーモン・ゲート(レイフ・ファインズ)
SS(ナチス親衛隊)の将校(赴任当時は少尉)で、クラクフ郊外に建設されたプワシュフ収容所所長に就任。冷酷非情な人物で、何の理由もなく次々と収容所内のユダヤ人を射殺する。メイドに雇ったユダヤ人のヘレンに恋愛感情を抱くようになる。

ヘレン・ヒルシュ(エンベス・デイヴィッツ)
アーモン・ゲート収容所所長に気に入られ、収容所を見下ろす所長の屋敷のメイドに雇われる。アーモンの気まぐれで自分も射殺されるだろうと絶望の日々を過ごしている。

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『シンドラーのリスト』詳細ストーリーはここ
ネタバレあり注意

オスカー・シンドラー

レストランでナチスの将校に接近してうまく取り入るシンドラー

食卓の上に置かれた2本のローソクに、マッチで火を点け、お祈りが始まった。

ラビ(ユダヤ教の司祭)によるその家での最後の祈りのようだ。

ローソクが燃え尽きようとするにつけ、周囲はモノクロの世界になり、わずかな炎だけに色が付いている。

やがて全体がモノクロになる。

ーー1939年9月、ドイツ軍は2週間でポーランドを制した。

ユダヤ人には移動命令が出て、国内の1万人以上のユダヤ人がクラクフに運ばれた。ーー

というテロップが入り、ユダヤ人の姓名がタイプされる光景が映される。

次に、ナチスの将校にレストラン(酒場)で接近し、大盤振る舞いする男が登場する。

その男はナチスのバッジを襟に付けているから、ナチス党の党員だ。

ひとりの将校が聞く。

「あの男は?」

「オスカー・シンドラー」

計理士イザック・シュターンとの出会い

ナチス政府は24人の評議員による「ユダヤ人評議会」を作り、強制収容所の班分け、食料、住まいの割当、苦情の相談など彼らにをさせた。

私財を没収されたことの相談や、ダビデの星(六芒星)の腕章を着けなくてはいけないのか等の相談を受けたりしている。

そうしたところへ、「イザック・シュターン」と大声で呼ぶシンドラーが現れる。

シュターンが優秀な経理士だと知ったシンドラーがシュターンを探しにやって来たのだ。

「君は食器製造会社で計理士をしていたとか」

「念のため言っておきますが、私はユダヤ人です」と言うシュターンに、

「私はドイツ人だ。だから何だ?」

とシンドラーは答え、続けた。

「業績は?」

「まあまあでした」

「琺瑯容器のことを?」

「私は計理士で…」

「機械を多少入れ替えれば、銅釜以外も作れるだろ?軍用の飯盒を作れば軍の注文も取れる。戦争が終わるまでに、ひと財産作れる」

「大抵の者は、それどころでは」

「なぜだ?」

「戦争が長引くほど儲かる商売ですね」

「軍の契約を取り事に関しては問題ない。工場を買い取るカネが問題だ」

「資金不足ですか」

「大金だからな。心当たりが?そうだ、ユダヤ人だったな。業界にコネがあるだろ?」

「ユダヤ人は商売に関わることを禁じられているのに?」

「表向きは私の事業だ。投資分は鍋釜で返す」

「鍋釜で?」

「こういう時代は品物のほうが役に立つ。闇市に持って行けば売れる。経営を任せてもいい」

「分かりません。投資者を集めて私が経営をみる。あなたは何を?」

「私は宣伝と営業。机の上の仕事は苦手だがそっちは自信がある。プレゼンテーションだよ」

呆れ顔でしばらく沈黙していたシュターンがやっと口を開く。

「心当たりはありません」

「話せば興味を持つさ。損のない話だ」

クラクフのユダヤ人居住区

ダビデの星の腕章を付けられたユダヤ人は財産を奪われ、ゲットーに集められた。

1941年3月20日、全ユダヤ人がクラクフのユダヤ居住地域「ゲットー」に集められた。

彼らは、ヴィスワ川の南端の壁に囲まれた、わずか0.24平方キロの狭い地区に押し込められた。

ユダヤ人の自治警察官が言う。

「SS(親衛隊)は噂ほど酷い連中じゃない。いや酷い連中だが金になる」

女はその警官に言う。

「その帽子似合わないわ。道化師みたい」

「給料が安いユダヤ人を雇おう」

ユダヤ人投資家に投資させ

まだ、シンドラーがシュターンを口説いている。

「1,000ズゥオティの投資に対し、月に200キロの琺瑯(ほうろう)製品だ。簡単だろ?」

「損です」

「損だと? 今の自分たちを見ろ。2ヶ月前とは状況が違う」

「カネはカネでしょ?」

「違うね。君らは分かっていない。今はカネよりモノが幅をきかすんだ。そういう世の中だ。フェアなオファーを断るなら構わん。よく考えろ」

「利益の配当にあずかるのがフェアなオファーだ」

「話にならん」

「取り決めを守る保証は?」

「私の約束だ。今の時代に契約書を法廷が認めると思うか?」

「SSが決めたユダヤ人の日給は男が7マルク、女が5マルクです。SSの経済局が取り立て、ユダヤ人の手には渡りません。ポーランド人労働者の賃金は少し高い。聞いてます?」

「SSが何だって? 日給を?」

「SSが給料を取り、ユダヤ人には渡らないのです」

「ポーランド人よりも安い? そこが重要だ。給料が安いユダヤ人を雇おう。リポワ通りにある容器工場だ。オーナーはドイツ人だが、ユダヤ人地区の外だから、外に出たついでにモノを交換できる。健康な女性も10人ほど必要だ」

技能者カードを捏造しユダヤ人従業員を集めて

シンドラーの工場D.E.Fはユダヤ女性も雇った。

早速、従業員集めが始まった。

ユダヤ人居住区では、特殊技能がある者にはブルーカード、役に立たない者にはイエローカードが与えられ、区別された。

教師だった男はイエローカードだったが、シュターンが「金属の研磨工」と書類を偽るなど、10人を従業員にした。

書類の整理、面会の約束と管理、速記、タイプ…。

秘書の女性が必要で、候補を集めたがシンドラーは、

「選ぶのが難しい。皆適任だ」

と選びかねると、シュターンが、

「選んでください」

ナチスの将校に賄賂を贈り懐柔

シンドラーは事業の便宜をはかってもらうためナチスの将校に高級品を贈る。

コニャックはヘネシー、シャンパンはドン・ペリニョン、レスパドンのサーディン、ナイロンのストッキング、高級チョコレート…。

これらの品を調達し、ナチスの将校に贈る。

シンドラーの重要な仕事だ。

「父は人生には3人が必要だと言っていた。医者、慈悲ある神父、計理士だ。医者と神父はまだ用がない。だが3番めは」

とシンドラーは言って、盃をシュターンに向けた。

盃を手に取らないシュターンに、

「真似事くらいしろよ」と言うシンドラー。

「それだけですか」

「礼を言いたい。君のおかげでここまでやれた」

「それはどうも」とつれない返事をするシュターン。

シンドラーはシュターンのグラスまで飲み干し、「行けよ」

いつも欠けていたもの、それは戦争

妻がやって来て、シンドラーは久々に妻と会った。

「おやじは最盛期で50人、僕は350人を雇っている。無一文でこの街に来て、破産した工場を買い取り、見事再建した。世界中の財宝を集めて…」

「あなたって、何も変わってないのね」

「それは違う。今まではいつも欠けているものがあった。それで何に手を出しても失敗した。欠けていると気づいても手に入らない、作れないものだ。だがそれが成功と失敗を分ける」

「運(luck)?」

「戦争さ(War)」

「私もここに」

「美しい街だよ」

「ここにいたほうが?」

「君の好きに」

結局、妻は帰って行った。

身障者は役に立たずとして射殺

身体的ハンディキャップを持ったものは役に立たないとして射殺された。

シュターンは片腕のない男を雇った。

片腕のないような役に立たない者は、殺されてしまうからだ。

ところが工場の従業員も雪掻きに駆り出される。

ナチスはその中に先程の身障者を見つける。

「私は技能者です」

「お前が?」

「シンドラーさんの工場で」

「お前に何ができる」

とナチスの将校は、その身障者を射殺。

雪の中に血が広がり、吸い込まれていく。

ナチスの中佐に抗議に出向いたシンドラーに、中佐が言う。

「将校は雪掻(か)きのほうが国に必要だと思っている。バカげているのは分かっている。だが、ユダヤ人に雪掻きさせるのは1つの儀式なんだ」

「1日分生産が落ちた。従業員を1人失った保証を」

「経済局に苦情申し立てを」

「効果が?」

「ないさ。SSの予算局幹部はこう言っていた。『ユダヤ人の技能労働者に頼るような生産体制は国への反逆だ』と。身障者の機械工とはどういうことだ?」

「金属プレス工だ。熟練工だった」

連れて行かれそうになったシュターンを取り戻す

汽車が走り始め、寸前のところでシュターンを救出するシンドラー

シュターンが連れて行かれそうだと連絡を受けたシンドラーはすぐさま駅に向かい、担当者に抗議する。

「彼がいないと軍需産業がストップする」

「リストに名がある以上、どうにもなりません」

「君の名は?」

自分の名を答えた担当者はシンドラーにも、「あんたは?」と尋ねる。

「シンドラーだ。手間をかけたな。君らに保証しよう。君らは直にロシア戦線に飛ばされる。グッデイ!」

担当者は怖くなって必死に汽車を止めようとする。

救い出されたシュターンが言う。

「労働証明書を忘れて、彼らに説明したんですが、私がバカでした」

「私が5分遅かったら、工場はどうなる?」

ゲットーの所長に就任した若き将校アーモン・ゲート

後から送ると言われた荷物の貴重品は没収された。

荷物は後で送ると言われ、列車に乗せられるユダヤ人たち。

だが、荷物を後から送るというのはウソで、実はその荷物の中の宝石などは鑑定、選別され、ナチス・ドイツのものとなる。

1942年、クラクフのゲットー(ユダヤ人居住地)。

そこに新しく赴任して来た所長アーモン・ゲート少尉に部下が説明する。

道路がゲットーを二分しており、右側がA地区、左側がB地区。

A地区は市の従業員、軍の雇用者。B地区は余剰労働者、老人、病人。

建設中のブワシュフ強制収容所は3万人を収容できる。

「私の住まいは?」

「あの屋敷です」と部下が高台の豪邸を指差す。

「ユダヤ寺院は厩舎にします。幼稚園、歯医者、靴修理人、医者も確保しました」

アーモンのメイドに選ばれたヘレン

「メイドの経験がある者は?」という問いに唯一挙手しなかったヘレンをアーモンは自分のメイドに決める

アーモン・ゲート(以下アーモン。登場人物がゲートと呼ぶ場合もあるが、本稿ではアーモンで統一)は若い女性たちを収容所の庭に集めた。

「君らの中に幸運な者がいる。肉体労働を免除され、楽な仕事につける。私の屋敷でね。メイドの経験のある者は?」

するとほとんどの女が手を挙げた、1人を除いて。

するとアーモンが言う。

「前に誰かに仕えた者は外そう。その時の癖が厄介だ」

アーモンはその1人の女性の前に立って、

「名前は?」

ヘレン・ヒルシュ

正しくても文句を言う者を射殺するアーモン

バラックの工事の欠陥を指摘した能力の高い女性も文句をつけたという理由で射殺される。

棟を建てる責任者は女性だった。

「セメント工事をやり直さないとバラックの南側が陥没してやがてバラック全体が潰れてしまいます」とアーモン所長に訴える。

「専門家か」とアーモンが聞く。

「はい、ディアナ・ライターです。ミラノ大学工科を出ました」

「カール・マルクス級のインテリか」

と言って少し離れ、部下を呼びつけ言った。

「射殺しろ」と。

「所長殿、私は自分の務めを」

「私もだ」

「彼女は工事主任です」

「文句はつけさせん」

連れて行こうとする部下に、アーモン所長は言う。

「ここでやれ!私が許可する」

「私を殺して何の意味が?」

「そうだな」と言った直後、部下が発砲する。

彼女を銃殺後、アーモンは部下に命じる。

「彼女が言ったように基礎からやり直せ」

ユダヤ人居住区「ゲットー」解体の日

1943年3月13日、ゲットー解体の日がやって来た。

アーモンが兵士たちを集め、演説している。

「今日は歴史的な日だ。600年前ユダヤ人たちは黒死病の科(とが)を負った。ポーランド王は『クラクフの街がユダヤ人を受け入れる』と言い、彼らは来た。家財を積んでこの街にやって来て住み着いた。商売でも学問でも教育、芸術でも、無一文でやって来たのに富を得た。以来6世紀、この街でユダヤ人は栄えた。だが今日、その6世紀は噂に過ぎなくなる。消滅する」

下水道に逃げる者、床下などの隙間に隠れる者たち。

少年が逃げようとし、それを撃とうとしたナチス兵士を止めた親が射殺される。

下水に逃げた者も銃殺される。

アーモン所長は、豪邸のベランダから収容所内を見下ろし、ライフルで獣を狙うように、数人のユダヤ人を撃ち殺した。

屋敷のベランダから、獣でも狙うようにライフルでユダヤ人を次々と射殺するアーモン

「従業員を返してくれ」とアーモンにシンドラーが抗議

「訓練した作業員を殺されると、うちは大損だ」とアーモンに抗議するシンドラー。後ろはメイドのヘレン

3人のナチ将校と民間人事業化らしき2人が話をしているところにシンドラーがやって来る。

「シルクかね?」

アーモンがシンドラーのスーツを見て聞く。

「もちろん」

「光沢がいい」

「1着贈りたいが、仕立て職人が生きていないだろう。うちの工場へ行ったら空っぽ。ゲットー解体は聞いてない。皆消えた」

「この収容所にいるよ」

「返してくれ!訓練した作業員を殺されると、うちは大損だ」

「大袈裟だな。損害など」

「うちは大損だ」

メイドのヘレンが来て、シンドラーのグラスに酒を注ぐ。

「置いとけ、ヘレン。ご苦労」とアーモン。

「少佐が言ってたよ。君は『感謝』の意味を知っている男だと。他の連中のように口先だけじゃないとね。君は自分の城を持っていたい。だが簡単じゃない。いろいろ手を回して許可をもらわねばならない。その上、調査官が現れて『規制がどうこう』言い出す。『下水管を直せ』とかね…。君だって誰かを撃ちたくなる」

「君は経験者だ。助けてくれないか。『感謝』するよ」

賄賂を渡すリストと帳簿の記入法をシンドラーのに伝えるシュターン

収容所に工場を移した連中からはアーモンにマージンが入る。

独立を望んだシンドラーからも利益を得ようとしたアーモンは、シュターンを手元に置き、シンドラーの工場のチェックをさせることにした。

「独立は『ただ』じゃない。分かるよな?」

シンドラーがアーモンの屋敷で将校たちを接待している時、席を外して駐車場の車の傍でシュターンと会う。

シュターンは頭に手をやっている。

「頭が痒(かゆ)いふりを。シラミだと思って近づ来ませんから。私のカレンダーにSS将校の子の誕生日が…。プレゼントを。経済局の幹部と警察署長も。彼らへの鼻薬は、報酬として帳簿に記してください。支払いは月の初め。『謝礼』を払うSS関係者のリストは私のデスクの下の引き出しに。名目は『慈善事業への献金』として。闇屋との取引は、帳簿の『仕入』という項目に書いてください」

「頭痛がして来た。何とか君を…。毎週あの屋敷に来る。その時君の様子を必ず見に来るよ」

理由も聞かず射殺しようとしたが弾が射出せず

アーモンは何度も何度も銃の引き金を弾くが、弾が射出しない。

プワシュフ強制収容所の金属加工工場にアーモンが見回りに来た。

アーモンが1人の職工に聞く。

「それは?」

「蝶番(ちょうつがい)です」

「1つ作ってみろ」

とアーモンは言うと、ストップウオッチを押した。

アーモンは職工が一つの蝶番を作るのにどのくらいの時間がかかるのかテストしたのだ。

明日また囚人が入って来て職場が必要なので、そのため職工の力を試したようだ。

「悪くない。だが、朝の6時から作業を始めて出来上がったのがこれだけか?」

職工は外に連れ出され、銃口を向けられた。

アーモンは即、引き金を引いた。

だが、銃は「カチャッ」と音を立てるだけで、弾が射出されない。

「私が」と言って部下が代わりに撃つが、やはりカチャオンのみ。

「レバーの故障かな」「発射ピンかも」

再びアーモンが引き金を引くが、やはり同じ結果。

「所長殿、ワケをお聞きください。蝶番が少なかったのは、今朝機械の調整があったからです。」

彼を無視して引き金を引くアーモン所長。

だがまた「カチャ」という音だけ。

「その代わり石炭運びを」

また撃つが「カチャ」。

さらに撃つがカチャ音。

もう一度撃つが、やはり同じ。

執拗だ。

さらに何度も撃ち続けるアーモンだが、弾が射出しないので、仕方なく銃のグリップで職工の頭を殴る。

シュターンから蝶番を1分で作れる男のことを聞いたシンドラーは、高級ライターをシュターンに渡す。

賄賂だ。

これで彼レヴァルトフはシンドラーの工場の従業員になった。

機転を聞かせた頭の良い少年を工場に引っ張る

「犯人を知っているのか?」と聞かれ、少年は死体を指す。

「ニワトリを盗んだのは誰だ!吐け、犯人は誰だ!」

収容所の外に並ばせたユダヤ人のうちの1人をアーモンは無作為に撃ち殺した。

「これでどうだ?」

すると1人の少年が一歩前に出る。

泣いている。

「お前か?盗んだのか」

「いいえ」

「犯人を知ってるのか?」

「はい。彼です」

と言って少年はさっき撃たれて倒れている死体を指した。

それを聞いたシュターンは、「利口な子です」

シンドラーは「分かったよ」と言って今度はシガレットケースをシュターンに渡した。

こうして少年はシンドラーの工場に移籍することになった。

「琺瑯作りを一所懸命覚えます」

両親を助けて欲しいと娘がシンドラーを訪ねる

シンドラーの工場の受付に1人の女性が突然、訪ねて来た。

エルザ・クラウスという名だった。

受付には諦めろと言われるが粘って待っていると、シンドラーが現れた。

「私に何の用かね」

「ここは誰も死なない天国だと聞いています。『善い方』だと」

「誰が言った?」

「皆です。私の本当の名はパールマンで、偽造身分証で暮しています。両親はプワシュフ収容所に。ハナとヤコブ・パールマンです。老人です。老人は次々殺されています。お願いです。両親をここへ」

「困る。誤解だ。私が欲しいのは腕の良い職工だ」

「父は輸入業者で…」

「迷惑だ。誰かの回し者か! 出て行け。逮捕されるぞ」

シュターンのところに行ったシンドラーは言う。

「人は皆死ぬ。アーモンが奴らを皆殺すからって、おれが引き取るのか? 君のせいだぞ。次から次へと押しつけて」

「工場は損を?」

「損はしてないが危険だ。私に危険が及ぶ。アーモンは重い責任を負っている。彼の立場で考えろ。すべてに目を配り、囚人の処置に頭を抱えている。それに戦争だ。戦争は常に人間の最悪の部分を引き出す。平和な時ならあいつも普通の男だ。いい面しかオモテに出ない。ワルではあるだろうが。旨いものと酒を喰らい、女遊び、金儲け…」

シンドラーの言が詰まるとその隙にシュターンが言う。

「人殺し」

「楽しんではいない」

「収容所の外で作業中に逃亡した者がいたんです。アーモンは全員を並ばせて1人を撃ちました。そして順に各列1人おきに、25人も」

「どうしろと?」

「何も。ただの話です」

シンドラーは女から渡されたメモを見る。

今度は腕時計を賄賂に使った。

シンドラーの会社D.E.Fに両親が入るのを娘は見届けていた。

アーモン所長の暴力や射殺にはルールがない

所長の屋敷の地下にシンドラーは降りて、ヘレンと話をした。

「最初の日から『骨を捨てた』と言われ、殴られました。夜中にここに降りて来て、『骨はどこか』と。『犬にやる骨を忘れたのか』と。私は言いました。今ではとても言えないことですが、『なぜ私を殴るのですか』と。彼は言いました。『殴るのは、なぜ殴るのか尋ねたからだ』」

「つらいだろうな」

「いいんです。黙って受け入れます」

「受け入れる?」

「どうせ射殺されるんです」

「射殺などしないよ」

「私は見ました。ある朝、屋上に出ていると、所長殿が玄関から出ていらして、階段を降りて行かれたのです。そして拳銃を抜き、撃ったんです。通りがかった女性を。何が気に障ったのか。所長様のなさることには何もルールがないのです」

「彼は君を楽しんでいるんだ。だから殺さない。ユダヤ女を楽しんでいると知られるとまずい。撃った女はどうでもいい女だったからだ。彼を怒らせたり、喜ばせた相手じゃない。だが君は違う」

と言ってシンドラーは彼女の額にキスをした。

「大丈夫、そういうキスじゃない」と言って。

ヘレンは泣いていた。

「パワーとは人を殺す正当な理由がある時に殺さない力だ」

アーモンに「真のパワー」とは何かを言って聞かせるシンドラー

アーモンがベロベロになってよろけた。

「なぜ悪い酒を飲む? 上物を贈ったろう」

とシンドラーが言うと、

「君は決して酔わないな。驚くべき自制心だ。自制心はパワーだ」

「ユダヤ人はそれを恐れるのか?」

「我々の『殺す力』を恐れるのさ」

「そう、『理由なく殺す力』をね。犯罪者を死刑に処すと気分がスッキリする。自分で殺せばさらに気分がいい。でもそれはパワーじゃない。それは『正義』で、パワーとは別のものだ。パワーとは人を殺す正当な理由がある時に殺さない力だ」

「それがパワー?」

「皇帝の話を? 盗みの罪で皇帝の前にひれ伏している盗人が、皇帝に命乞いをする。殺されると思ってね。だが皇帝は彼を許す」

「酔ってるな?」

「それがパワーだ、アーモン。それが本当のパワーだ。『慈悲深い王アーモン』」

アーモンはそれを聞いて笑って言う。

「君を許す」

その後ほんのしばらくの間、アーモンはユダヤ人がミスを犯しても「許す」と言って短気に射殺することはなくなったが、結局、元に戻ってしまう。

「お前が好きだ。やめておこう。汚れたユダヤ女」

メイドに雇ったユダヤ女ヘレンに惹かれるアーモン所長

屋敷では宴(うたげ)が開かれている。

アーモンが地下に降りてきた。

「おれから隠れてここに? お前は料理もうまいし、よく気のつくメイドだ。戦争が終わったら推薦状を書いてもいい。上で楽しく騒いでいるのを聞くのは寂しいだろう。どうだ? 答えろ」

黙って答えないヘレン。

「『どう答えようか』と考えているな。おれの喜ぶ答えを。正直に答えることがいつも正しい。分かるよ。お互い寂しい。時々、孤独なお前に手を差し伸べて触れたいと思う。どんな気がするかな? それが悪いことか? もちろんお前は人間以下とされるユダヤ人だ。おれとお前が悪いのではなく、そういう考えが悪いのだ。それに戦争。お前らユダヤ人を害虫、ネズミ、シラミとか。何だって? 分かる、よく分かる。そのとおりだ」

アーモンはヘレンの髪に手で触れ、

「これがネズミの顔? これがネズミの目か? 『ユダヤ人にも目が』。ヘレン、お前が好きだ」

胸にも触れ、キスの寸前まで行くが、アーモンはふと我に返り、

「やめておこう。汚れたユダヤ女。誘惑する気か?」

アーモンは自分から迫っていたくせに突然、怒り出し、ヘレンを殴るのだった。

誕生パーティーで女性にキスしまくるシンドラー

シンドラーの誕生日にお祝いのケーキを持って来たユダヤ美女にキスするシンドラー

シンドラーは、女性たちに囲まれ、彼女らとキスしまくって上機嫌だった。

「従業員を代表して誕生日のお祝いを申し上げます」と女性と少女が言う。

「ありがとう。こんなうまそうなケーキまで」

と言ってシンドラーはユダヤ人女性にもキスをした。

「ありがとう、皆に礼を言ってくれ」

裸にされガス室に入れられる話が宿舎で噂に

収容所の宿舎で女たちが話をしている。

「汽車が止まると、棍棒で追い立てられ、2つの大きな倉庫の前に並ばされたの」

3段ベッドの2段めにいる女性のミラが続ける。

「倉庫には『衣服用』と『貴重品』という表示が。全員裸にされ、ユダヤ人の少年が配ったヒモで靴を縛り、髪を来られる。『Uボートに必要なものを作るから』って。それから広い廊下を追い立てられ、ドアに『ダビデの星』が描かれた部屋へ。『浴室』『吸入室』という文字が。石鹸を渡され、『殺菌効果のために深く息を吸え』と。そこへ毒ガスを」

「でもなぜ石鹸を?」

「話を信じるように}

「ミラ、やめて。怖くて寝付けないわ」と少女と一緒の母親が言う。

「デタラメよ。私は信じないわ」別の女性が言う。

「でもそう聞いたのよ」とミラ。

「誰から?」

「そこにいた人の友だち」

「ガスを吸わされ生き残れるはずないわ」

「そうよ」

「そんなはずないわ」

「我々は労働力よ。奴らが労働力を殺すと思う? これだけ苦労して労働力を集めて、これ?」

と首を手で切るポーズをする女性。

「デタラメよ。我々は彼らにとってとても大切なのよ」

「おやすみ」

「いい夢を」

健康な者だけを選別して残し他は殺戮

肥溜めに逃げる少年

半年ごとの健康診断で「太り過ぎです。コニャックの飲み過ぎです」と軍医から注意を受けるアーモン所長が屋敷から下を見下ろしながら言う。

「また新しい荷が送られて来る。病人を始末しないと場所がない」

蓄音機とスピーカーから音楽が流れる中、ユダヤ人たちが裸にされ、走らされる。

健康体で体力があるか見られ、選別されるのだ。

宿舎では女たちが指に針を刺し、そこから出る血を頬に塗っていた。

健康的な顔色に見せるためだ。

「ここに残ることになった者は服を着ろ。宿舎へ戻れ」

あちらに子どもたちを乗せたトラックが数台走り始め、荷台から子どもたちが手を振っている。

親たちが必死に駆け寄るが兵士たちに止められる。

床下などに隠れる子どもたちもいた。

出遅れた子は隠れる場所がない。

仕方なく汲取式のトイレの中に入ると、そこも先客がいて、

「おれたちの場所だ。出て行け」と言われる。

酷暑なのに水も与えられず、貨車にギュウギュウ詰め

暑い貨車に閉じ込められたユダヤ人のためにシンドラーは消防ホースで水を噴射

駅に来たシンドラーはアーモンに言った。

「なぜ知らせなかった?」

暑い中、汽車の貨物車両には、ユダヤ人たちがギュウギュウ詰めに立たされていた。

「水を!水を!」

との叫び声が聞こえる。

「ホースで水をぶっかけてやろう!いいだろ?」

とシンドラーはアーモンに言い、消火ホースで水を噴射した。

「窓にぶつけろ。屋根にも」

アーモンはそれを見て、冷ややかに言う。

汽車に水を撒くシンドラーを嘲笑するナチスの将校たち

「残酷だな。望みを与えるな。やめろよ。残酷だぞ」

しかしシンドラーはやめない。

「先の車両まで届くよう」

だがホースの長さが短いことに気づいて、工場から長いホースを持って来させて、水を噴射した。

シュターンが真剣な表情でその様子を見ている。

「停車のたびに水を与えろ」とシンドラーが担当者に賄賂を与えつつ指示を出す。

ユダヤ女にキスしたことで逮捕されるシンドラー

シンドラーは、ある容疑をかけられ連行され、留置場に入れられた。

先日のパーティでユダヤの女性にキスしたことで罪を問われたのだ。

「人種再編成法」違反容疑だった。

アーモンが担当官に弁解する。

「彼は女好きで美人に目がないんです。いい女を見ると何も考えない。取っ替え引っ替えでもてますよ。女房がいるのに。確かにユダヤ女にキスしました。美しい女でした。ユダヤ女には魔力が、男を惑わす力をバイ菌のように振り撒く。感染した者には刑罰ではなく、憐れみを。チフス患者のように治療を。問題はカネですか?」

「買収の申し出か?」

「とんでもない」

「『謝礼』です」

そこに上官が入って来る。

「アーモン、ユダヤ女と懇(ねんご)ろになるな。未来のない連中だからな。ユダヤ嫌いは昔からあるが、今や政策だからな」

こうしてシンドラーは釈放された。

虐殺した1万余の死体を掘り返して焼却

この赤色のコートの少女が意味するものは?

1944年4月、フヨヴァ・ブルカの丘。

プワシュフ収容所とゲットーで殺されたユダヤ人1万余の死体に焼却命令が出された。

埋めた死体を掘り返しての作業だ。

燃やした灰が天に舞い、降って来て、道路や車の上に積もった。

アーモンがシンドラーに言う。

「信じられるか。仕事を増やしやがって。死体を全部掘り起こすんだぞ。ここは閉鎖、全員アウシュヴィッツ送りだ。輸送手配をせねばならん。3日か4日後だろう」

死体が荷車に乗せられ焼却場へ運ばれる。

その中に、赤いコートを着た小さな少女の死体もあった。

シンドラーはそれをじっと見つめていた。

いよいよアウシュヴィッツに送られ『特別待遇』?

シュターンの頬に涙が伝う

「聞いたか?」とシンドラーがシュターンに言う。

「ええ、これが閉鎖命令です。皆を送り出し、私も最後の汽車で」

「それを言うな。アーモンによく頼んでおいた。君に特別待遇を与えるように」

「あそこの『特別待遇』は、恐ろしい意味だそうですよ」

「じゃ、『優先待遇』という新語が必要だな」

「まったく」

「あなたはここに?」

「クラクフに何が?」

「工場があります。給料の高いポーランド人を雇わねば」

「君が工場を動かしていた。私は故郷へ帰る。望みどおり使い切れないほどのカネをためた。いつの日か、この戦争も終わる。その時、君と1杯呑もう」

シュターンは首を小さく振ると、

「今呑みましょう」と。

その頬には涙が伝っていた。

ユダヤ人従業員を助けるため「1人いくらか」の交渉

1人でも多くのユダヤ人を救おうとアーモンと交渉するシンドラー

ケースにカネを詰め込んだシンドラーはアーモンを訪ねた。

「分からんな。あいつらを欲しいだと?」

「私が雇った連中だ」

「モーゼ気取りはよせよ。儲けを企んでるんだろ?」

「得だからだ」

「どこに得がある? やつらと設備をチェコに運ぶと言うのか? 新しい収容所を作るだと? 隠さずにウラを吐けよ」

「新しい職工を訓練する手間とカネが省ける。礼をするよ。軍にも利益が。新製品を。砲弾のケースを。戦車砲のケースもだ」

「騙されるものか。君は何かを企んでいる。おれが100なら君は300、いつも上前をはねてる。吐けよ」

「言ったろ?」

「誤魔化すな。分かったよ。乗ろう。悔しいが」

「いくら欲しいか言ってくれ。1人いくらだ?」

「君が1人にいくら払うか言えよ」

「善のリストと、命のリストです」

「これは善のリストです。生命のリストです」とシュターン

シンドラーとシュターンはリストづくりに忙しい。

「何人だ?」

「これで450人です」

「もっとだ」

シンドラーは他の事業家にも声をかけた。4,000人を救い出し、安全な所に移せると読んだのだ。だが返って来た返事は「ノー」だった。

「危険だ」という理由だった・

「そのページで終わりだ」とシンドラーはシュターンに言った。

資金的にギリギリだとシンドラーが判断したのだ。

「アーモンをどう説得したんです? よく引き受けてくれましたね。やつにカネを? あなたがカネを出して買った?」

「君なら『カネがかかり過ぎる』と反対しただろう。最後に1人分、空欄を」

シュターンはシンドラーにリストを向け、こう言った。

「これは『善』のリストです。生命(いのち)のリストです。この紙の外は死の淵です」

アーモンお気に入りのメイドにも大金を提示して

「オスカー、最後の名は間違いだろ?」

とアーモンがシンドラーに聞いた。

「いや、間違いじゃない。故郷のブリンリッツにあんなメイドはいない」

「断る」とアーモンが言うと、シンドラーはカードを出し、

「『21』を1勝負」と言った。

「君が勝てば7,400マルク、エースで勝てば14,800マルク。私が勝てば彼女を」

「ヘレンを賭けるなんて」

「なぜ?」

「できない」

「どうせアウシュヴィッツだ」

「あそこへは送らない。ウィーンへ連れて帰って、おれのメイドにする。一生面倒を見る」

「正気か? ウィーンに連れて帰れるものか」

「分かってる。そうしたいだけだ。それができないなら、せめて最後の慈悲で苦痛がないよう背後から頭を撃つ…。エースが勝てば、いくらと言った? 14,800マルク?」

ブリンリッツへ向かったはずが女たちの列車はアウシュヴィッツ

ブリンリッツは現在のブルニェネツだ。

汽車が出た。

その汽車は、チェコのブリンリッツ(チェコの現ブルニェネツ、Brněnec))というシンドラーの生まれ故郷に到着。

シンドラーが皆の前に立って、話す。

「女たちの列車もまもなくここに到着するはずだ。長い旅だったが、工場はここから歩いてすぐだ。熱いスープとパンが君らを待っている。ブリンリッツへようこそ」

一方、女たちが乗った汽車の中では、助かった嬉しさからシチューの話で盛り上がっていた。

だが、女たちの汽車が着いたところはブリンリッツではなくアウシュヴィッツだった。

女たちは手違いでアウシュヴィッツに送られてしまった。

髪を雑に短く切られ、全裸にされ、「殺菌室」に入れられた。

突然、暗くなり、悲鳴が上がった。

が、天井から吊るされたシャワーから水が噴射されただけで、毒ガスではなかった。

服を着るよう言われ、年齢を聞かれる女たち。

ユダヤ人女性のひとりがナチスの将校に事情を説明する。

「私たちは間違ってここに。オスカー・シンドラーさんのところの『シンドラーのユダヤ人です』」

「オスカー・シンドラー?」

「クラクフで琺瑯製品も工場を」と部下が上官に説明する。

「鍋作りか」

シンドラーはアウシュヴィッツの所長をダイヤで買収

シンドラーは女たちをブリンリッツに運ぶためアウシュヴィッツにやって来た。

だが、所長は言う。

「生産業者はみな労働力を欲している。シンドラー君、大手のファルベン化学も『貨車いっぱいのハンガリー人を回してくれ』と言って来たが、そのファルベンさえも諦めたのだぞ」

「特別待遇」という本来の仕事を妨げたくないとも言った。

シンドラーは、「これならどうです?」とポケットからあるものを取り出し、机の上に置いた。

幾つもの大きなダイヤだ。

「ご自由にご決断を。持ち歩ける資産が今にきっと必要となります」

「逮捕されてもいいのか」

「私には有力な友人が大勢います」

「受けとるとは言わん。机の上に載っていると気になる」

と言って所長はダイヤを自分のポケットにしまった。

「明日また『荷』が来る。300人を君のところへ回そう。健康体だ。貨車をそのまま戻して君のところへ」

「この連中を」とシンドラーがリストを見せようとすると、

「指定されるのは面倒だ。余計な書類仕事が増えるからな」

と言いつつ、翌日、リストで女たちの名が呼ばれ、汽車に乗せられた。

だが、兵士が子どもを引き剥がそうとするではないか。

シンドラーが叫ぶ。

「よせ! うちの子だぞ。うちで働かせるやつらだ。弾薬をつくるのに欠かせない熟練工だぞ。この指が砲弾の内側の金属を磨く。45ミリ砲の奥まで大人の手が届くか? どうだ、届くか?」

こうして全員が汽車に乗り込むことができた。

「勝手な処刑はここでは許さん」とナチス兵にシンドラーが

ブリンリッツの兵士たちを前に、シンドラーが演説している。

「『セクジョンW』が定めているように、理由もなく職員を殺してはならない。そういう死に対しては企業保証条例に従い、賠償を求める。理由なく殺せば君らは軍刑務所行き、私はカネをもらう。忘れるな。勝手な処刑はここでは許さん。生産を妨げる干渉も許さん。その徹底をはかって兵隊が私の許可なく工場内に入ることを禁ずる。諸君の協力への感謝のしるしだ。呑んでくれ!」

さあ、宴会の始まりだ。

「戦車砲もロケット砲も規格テスト不合格」はシンドラーの細工?

教会のイスに座る女性の後ろからシンドラーが忍び寄る。

「ドアマンもウエイターも二度と君のことを間違えないよ。約束する」

妻は微笑む。

妻に紹介されたシュターンは、妻に挨拶した後、シンドラーに言う。

「後でお時間を」

「妻に秘密はない」

「オスカー、私にお構いなく」と言って妻は場を外した。

「軍備局から苦情が。戦車砲もロケット砲もすべて規格テスト不合格と」

「精密作業にはよくあることさ。釈明の手紙を書こう」

「代金は?」

「不良品に誰がカネを払う? そのうち合格品を」

「あなたが機械に細工しているという噂も。アウシュヴィッツ行きですよ」

「よその製品を買って誤魔化す」

「わざわざ買うのですか」

「そうすりゃ戦争で使われる砲撃も減る。使いものになる砲弾を君は本当に作りたいのかね?」

「金曜は君らの安息日サバスだろ?」

シンドラーが工場で働くラビに声をかけた。

「日が沈む」

「さようで」

「今日は何日だったかな。金曜日では?」

言われる意味が分からないラビを見つめるシンドラー。

「君らの安息日(サバス)だろ? 違うのか? ワインがある」

しばらくして、ローソクを灯し、ラビが祈りの歌をうたい始めた。

(ローソクの炎に色が付き始める)

ドイツ兵にも聞こえるが、干渉できない。

操業開始から7ヶ月が経ったが工場の生産量はゼロ。

食費と役人への賄賂に数百万マルクが消えた。

シュターンがシンドラーに聞く。

「私の知らないカネがどこかに?」

「ない。ついに破産か?」

ドイツ無条件降伏の報を受けシンドラーがナチ兵に語った言葉

ラジオの音声にみなが聞き入っている。

「昨日の早朝、正確には本日の午前2時41分、アイゼンハワー総司令官の本部で、ジョディル独軍総司令官は無条件降伏条約に署名した。従ってヨーロッパにあるドイツ陸軍、海軍、空軍のすべては連合軍とソ連最高司令部の指揮下に置かれることになった。対独戦争は終結を見た」

「兵士を工場内に入れろ!」とシンドラーが言い、彼がユダヤ人とナチス兵士を前に言う。

「ドイツの無条件降伏がたった今、報じられた。今日午前零時をもって戦争は終結する。明日から君らは、生き別れの家族を捜す。その多くは見つかるまい。6年間に及ぶ殺戮、世界が犠牲者を悼んでいる。我々は生き残った。私に感謝する者もいる。自らに感謝しろ。シュターンに感謝しろ。死の前で勇気を見せた仲間に感謝を。私はナチの党員で、弾薬の製造業者だ。強制収容所では利益を得た。私は犯罪人だ。君らは自由。私は追われる身だ。零時5分まで君らとともにいて、その後、逃亡することを許してもらいたい。兵士諸君は命令を受けているだろう。『この収容所の囚人を全員処刑せよ』と。やるなら今だ。全員揃っている。今なら簡単だ。だが、立ち去ってもいい。殺人者ではなく、人間として家族のもとへ」

それを聞いた兵士が去り始めた。

最後まで残っていた所長も去った。

「亡くなった君らの同胞を偲び、3分間の黙祷を捧げよう」

と十字を切り、手を組んで黙祷するシンドラー。

ラビが祈りの歌を捧げ、「ウーメン」と皆が言う。

「もっと救えた」と悔やむシンドラーにシュターンが言った言葉

別れ際、シュターンはユダヤ人の歯から取り出した金で作った指輪をシンドラーにプレゼントする。

別れの時がやって来た。

「すべてを記した手紙です。もし逮捕されたら…。全員が署名しています」

とシュターンが手紙をシンドラーに渡す。

シンドラーは礼を述べる。

次にシュターンは、シンドラーに金の指輪を渡す。

ユダヤ人たちが歯に詰めていた金から作った指輪だ。

その指輪には、言葉が刻まれていた。

「ユダヤの聖書タルムードの言葉です。『1つの生命を救う者が世界を救える』」

シンドラーはその指輪を薬指にはめると、シュターンを見つめ、かたく握手をする。

「もっと救い出せた。その努力をしていれば。もう少し努力を…」

指輪をはめ、「もっと救い出せた」とシュターンに後悔の念を伝えるシンドラー

シュターンは首を振る。

「オスカー、あなたはここの1100人を救ったんです」

「カネがあれば…。あんなバカな、ムダ遣いを。バカだった」

シンドラーの目には涙が溢れていた。

「もっと救えた。車を売れば…」と泣いて悔やむシンドラーをハグするシュターン

「彼らから新しい世代が育ちます」

「もっと大勢を(救えた)」

「こんなに救って?」

「車を売れた、アーモンへ。この車で10人は救えたはずだ。10人だぞ。あと10人を。このバッジ(ナチの)で2人救えた。金だから。アーモンなら2人と交換した。たとえ1人でもいい。1人救えた。人間1人だぞ。このバッジで。努力すればもう1人救えたのに。しなかった。救えたのに…」

その場に崩れ落ちるシンドラー。

女性たちがそんなシンドラー走り寄る。

1,100人が見守る中、シンドラー夫妻は車で去った。

「シンドラーのユダヤ人」の子孫たち

馬に乗ったソ連兵がやって来て言った。

「ソ連陸軍の名により君らを解放する」

「我々はどこへ?」

「東はよせ。君らは憎まれている。おれなら西も避ける」

「食い物が欲しい」

「あっちに町がある」

そう言われて町の方向に歩き出す1,100人のユダヤ人たち。

アーモンの末路

一方、クラクフではある人物が絞首刑になろうとしていた。

「ヒトラー万歳!」

彼は吊るされる前にそう叫んだ。

アーモン・ゲートだった。

シンドラーは戦後、結婚にも事業にも失敗したが、1958年、イスラエルのエルサレムに招かれ、『正義の人』に選ばれ、ホロコースト記念館の前の『正義の通り』に植樹を行い、その樹は今も成長を続けている。

開放された1,100人のユダヤ人は町に向かって前進する。

1100人の行進は、やがてカラーに変わる。

そしてシンドラーに救われた人々が、シンドラーの墓を参り、献花する。

ドレスナー、ヴァルケン、ホロヴィッツ、バウ、ローズナー、ペファーベルグ、ヒルシュ…。

「シンドラーのユダヤ人」たちは、シンドラーの墓に小石を積んで彼を偲ぶ。

『シンドラーのユダヤ人』の子孫は、6000人を超えるという(映画公開時)。

ーーこの映画を虐殺された600万人余のユダヤ人に捧げるーー

『シンドラーのリスト』予告篇(YouTube)

\『シンドラーのリスト』本篇を観る/

『シンドラーのリスト』感想

人生とか運命って本当に奇なるものだと思う。

自分が経営する会社を、父親が経営していた会社より大きくし、カネを儲け、女遊びをすることを夢見ていた男。

その男がユダヤ人たちを雇ったナチスの軍需工場で成功し大金持ちになるが、そのおカネを使ってユダヤ人を虐殺から救うことになるのだから。

また、収容所の所長だったアーモン・ゲートが、賄賂に転ばない信念の人だったら、ユダヤ人を救うことは出来なかったのだから。

シンドラーがユダヤ人の計理士シュターンと出会わなければ、工場の成功もなく、結果としてユダヤ人を救うこともできなかった。

人間的にもシンドラーは、シュターンの影響を受けて変わっていったのだから、この2人の出会いがあったからこそ、1,000人以上のユダヤ人を救うことができたわけだ。

ドイツが無条件降伏して戦争が終わり、シンドラーが工場を去る前のユダヤ人たちとのやりとりには胸を打たれる。

ナチスの非人間的な残酷さが、ゲットーおよび収容所の所長であるアーモン・ゲートを通じて強烈に描かれている。

理由もなく殺す恐怖によってユダヤ人を支配し、カネに転ぶナチスの将校アーモン・ゲート所長と、ナチ党員ではあるがカネ好き、女好きの事業家オスカー・シンドラー。

ユダヤ人を殺しまくり、戦後絞首刑に処された軍人と、ユダヤ人を雇い儲けまくったが、そのカネを遣い、多くのユダヤ人の命を救い、感謝された事業家。

この2人の運命を分けたものは何なのか。

シンドラーとシュターンがアーモンについて、こんな会話を交わす場面がある。

「戦争は常に人間の最悪の部分を引き出す。平和な時ならあいつも普通の男だ。いい面しかオモテに出ない。ワルではあるだろうが。旨いものと酒を喰らい、女遊び、金儲け…」

シュターンが、シンドラーの言葉に続ける。

「人殺し」

「楽しんではいない」と言うシンドラーに、シュターンは反論する。

「収容所の外で作業中に逃亡した者がいたんです。アーモンは全員を並ばせて1人を撃ちました。そして順に各列1人おきに、25人も」

「どうしろと?」と聞くシンドラーにシュターンは、

「何も。ただの話です」と答えるだけだ。

筆者は、どちらの言う言葉も間違っていないと思う。

アーモンの心には揺らぎが見られる。

「我々の『殺す力』を恐れるのさ」と語るアーモンに、シンドラーが、

「そう、『理由なく殺す力』をね。でもそれはパワーじゃない。パワーとは人を殺す正当な理由がある時に殺さない力だ」と言うと、

「それがパワー?」とアーモンは感化され、その後しばらくは無闇にユダヤ人を殺すことを止める。

また、メイドに雇ったヘレンに好意を持ち、「お前が好きだ」と告白しながら、ヘレンが答えに困って黙っていると、「やめておこう。汚れたユダヤ女。誘惑する気か?」と、ヘレンのせいに転化する。

一見強いアーモンは本当は弱い人間で、一見弱いヘレンは強くて、その強さに惹かれていたのかもしれないと思う。

シンドラーがアーモンに莫大なカネを提示してユダヤ人を助けることになるのだが、穿った見方かもしれないが、ひょっとしたらアーモンはシンドラーの企みを分かったうえで1,100人のユダヤ人を『売った』のかもしれないとも思う。

アーモンの心の揺らぎを見ていると、そうも思えてくる。

多くのユダヤ人を銃殺したアーモンが? とも思うだろうが、ヘレンをリストに加えて連れて行こうとするシンドラーに対する彼の反応も揺らいでいた。

手放さない、戦後ウィーンに連れて行ってメイドにし、一生面倒を見るとアーモンはシンドラーに言う。

「正気か? ウィーンに連れて帰れるものか」とシンドラーに言われると、

「分かってる。そうしたいだけだ。それができないなら、せめて最後の慈悲で苦痛がないよう背後から頭を撃つ…」

と言った後に、シンドラーが先ほど提示した金額を問い直し、結局了承する。

明らかに揺らいでいる。

そう言えば、アーモンはいつも銃殺する時、後方から頭を撃っていたような…。

ナチスのこうした行為を肯定するつもりはないが、人というものは矛盾を抱えて生きている。

特に人を狂気に陥れる戦争においてはそうだと思う。

ユダヤ教の司祭(ラビ)が食卓のローソクに火を灯す場面をカラーで描き、その後モノクロに転じ、再びラビがチェコの工場で祈る場面でローソクの炎に色が付く。

他に色が付くのは、あるユダヤ人少女が着ているコートの赤色。

こうしたスピルバーグ監督の演出は素晴らしい。

ほとんどをモノクロにすることによって、想像力が刺激されるし、古くならない。

1993年の作品なのに今見てもまったく古さを感じない。

また、スピルバーグの演出については『NewWeek』の記事が興味深い。

「普段と全然違うスタイルでやりたかったから、撮影機材は半分にした。クレーンもなし、レールもなし。手持ちカメラを多用することは、決めてたわけじゃない。ただ、技巧を排除して事実を身近に感じてもらいたかった」

シンドラーが皆と別れる時、ユダヤ人たちが金歯から戻した金で作った指輪をプレゼントずる。

その指輪に刻まれたユダヤ教聖典「タルムード」の言葉、

「1つの生命を救う者が世界を救える」

にも心が打たれる。

『シンドラーのリスト』は、不朽の名作だ。

赤いコートの少女の意味

必死に生き延びようとする赤いコートの少女がシンドラーの心に変化を呼び起こす。

モノクロ映像の中で、色があるのは最初と最後と、少女の赤いコートだ。

食卓のキャンドルの炎が消えるとともにモノクロになるのは、暗い時代に突入する象徴、最後に再びキャンドルの炎に色が付くのは明るい時代に戻る象徴だろう。

では1人の少女のコートにのみ色があるのは何を意味するのか。

シンドラーの心に影響を与える象徴、良心を呼び起こす象徴だと言われる。

カネと女や名誉にしか興味のなかった俗物男を、私財を擲(なげう)ってでもユダヤ人を救おうとする人間に変える象徴となっているのだ。

シンドラーが赤いコートの少女をじっと見つめる場面があるが、この時、彼の心の中に、ある種の変化が起き始めているわけだ。

技術的には、赤い色はCG加工の、VFX(ヴィジュアルエフェクト)で彩色されている、いわゆる「パートカラー」。

かつて黒澤明が「天国と地獄」で使った手法(当時はフィルムに着色)で、「シンドラーのリスト」も、黒澤明へのオマージュだと言われている。

実際のオスカー・シンドラー

オスカー・シンドラー 画像:http://www.auschwitz.dk/

オスカー・シンドラーは、メーレン(当時オーストリア領、現チェコ領)生まれのズデーテン・ドイツ人の実業家。第二次世界大戦中、ドイツにより強制収容所に収容されていたユダヤ人のうち、自身の工場で雇用していた1,200人を虐殺から救った。

1945年11月から1950年5月まで、彼はレーゲンスブルクにいた。しばらくアルゼンチンに赴き、毛皮をとるためにヌートリアの飼育も手掛けたが、農場を閉鎖せざるを得なくなる。そこで貿易商の仕事をしたのち、ドイツに帰国した。ドイツでは、セメント工場の仕事をし、これもまた1961年に倒産に追い込まれた。次から次に事業に失敗し、資金繰りで奔走しているシンドラーの噂は彼が救ったユダヤ人にも伝わる。彼らは、シンドラーをイスラエルに招待した。
この時点から、オスカー・シンドラーの「二重生活」が始まる。つまり、年の半分を彼が隠居生活をしているフランクフルトで過ごし、他の半分をエルサレム在住の、彼が救ったユダヤ人たちの下で過ごすということである。このような生活は、彼が1974年にドイツのヒルデスハイムで死ぬまで続けられた。彼の墓は彼自身の希望により、エルサレムのローマ・カトリックの教会墓地にある。

1999年、彼の最後の恋人アーミ・シュペート(Ami Spaeth)の住居の屋根裏部屋から、シンドラーが親衛隊に取り入るために作成したありとあらゆる書類のすべてが詰まったひとつのカバンが見つかった。生活必需品のすべての支出が事細かに記載されたものである。今日の通貨価値にして、総額100万ユーロを食糧・賄賂・贈物として支払っていたのである。
妻エミーリエとは1957年以来疎遠となっており、離婚こそしなかったものの再び相見えることはなかった。夫の死の20年後、彼女は夫の墓前で次のように胸中を明かした。
「やっと会えたのね…。何も答えを聞いてないわ、ねえ、どうしてわたしを見捨てたのかしら…。でもね、あなたが亡くなっても、わたしが老いても、ふたりが結婚したままなのは変わらないし、そうやってふたりは神さまの御前にいるの。あなたのことは全部許してあげたわ、全部…」
晩年、身寄りはバイエルンに居る姪一人きりだったシンドラー夫人は、アルゼンチンのサン・ビセンテでペットに囲まれて過ごす。自宅には反ユダヤ主義の極右過激派から守るため、アルゼンチン警察の制服警官が24時間常駐していた[14]。2001年7月のベルリン訪問中、彼女は記者たちに、人生最後の時間をドイツで過ごすことが最大にして最後の望みであり、更にホームシックがどんどん重くなっていると語った。そして10月、ベルリン市内の病院で亡くなった(93歳)。

引用元:Wikipedia
チェコのブルニェネツ(旧ブリンリッツ)に残るシンドラーの工場跡 photo by Miaow Miaow

実際のシュターン

イザック・シュターン

1901年1月25日 – 1969年。ユダヤ系ポーランド人の会計士。イザック・シュターン(英語読み)は、イツァーク・シュテルンとも表記される。『シンドラーのリスト』で、実業家オスカー・シンドラーの会社D.E.Fの会計士として知られる。元はポーランド、クラクフの織物会社であるブーフハイスター商会の会計主任、後にプログレス産業の従業員だった。クラクフ・ゲットーが解体されてからはクラクフ・プワシュフ強制収容所内のオフィスで働いた。シンドラーが工場をブリンリッツに移転した際、シュターンも工場の従業員として移った。シュターンとシンドラーの関係は、当初は単にビジネスライクだったが、次第にに深い友情で結ばれるようになった。シュターンが1969年に亡くなった際、シンドラーは人目を憚ることなく号泣したという。映画でシンドラーがシュターンを貨車から救い出すシーンがあるが、実際に救い出されたのはシュターンではなく、シンドラーの会社の事務主任アブラハム・バンキールであり、映画はあくまでフィクションである。

参考元:Wikipedia

実際のアーモン・ゲート

アーモン・ゲート親衛隊将校

アーモン・レオポルト・ゲート
1908年12月11日 ‐ 1946年9月13日ウィーン生まれ。ドイツのナチス親衛隊将校。第二次世界大戦中、クラクフ・プワシュフ強制収容所の所長を務めた。戦後にポーランドの法廷から戦争犯罪人として起訴され、ユダヤ人虐殺の責任を問われて死刑判決を受け、刑死した。親衛隊における最終階級は親衛隊大尉。父フランツは軍事専門書を扱う「アーモン・フランツ・ゲート出版社 」のオーナーだった。ゲート家はカトリックを熱心に信仰する家庭で、経済的には上層中産階級に位置した。当時高級品だった自動車も所有していた。

ゲートはウィーンの小学校を卒業した後、実科ギムナジウムを出る。その後、ヴァイトホーフェン・アン・デア・ターヤの大学で経済学を学び、卒業後にはウィーンに戻り、父の会社で働いた。

学生時代からナチズムに共感し、1925年に国家社会主義ドイツ労働者党オーストリア支部(オーストリア・ナチス)の青年組織に参加した。やがて不統一なオーストリア・ナチスより護国団の方に惹かれ、1927年には護国団の中でも特に反ユダヤ主義が強い「シュタイアーマルク郷土防衛」のウィーン支部に入団した。しかし1930年にオーストリア・ナチスと護国団の議会選挙共闘の試みが失敗した後には、ナチスに賛同してシュタイアーマルク郷土防衛から離れている。
1931年5月31日にナチ党に正式な党員として入党。1932年に親衛隊(SS) に入隊(1930年入隊説もある)。1933年春に親衛隊軍曹、1941年11月に親衛隊少尉に昇進。あまりの残虐さから「ルブリンの血に飢えた犬」と呼ばれた。1943年2月11日に「クラクフ地区親衛隊及び警察指導者のプワシュフ強制労働収容所」の所長に任命される。親衛隊少尉クラスとしては異例の所長就任だった。

データ引用元:Wikipedia

映画で描かれなかったもう一人のシンドラー

オスカーの妻エミーリエ・シンドラー

エミーリエとオスカー 引用元:http://www.auschwitz.dk

映画では偶に会う妻としてしか描かれなかったオスカーの妻エミーリエ・シンドラーだが、実は彼女もユダヤ人救出に尽力した、もうひとりのシンドラーだった。

そのため、映画で彼女のそうした面を描かなかったスピルバーグ監督を批判する人もいる。

エミーリエは、1907年10月22日ズデーテン・ドイツに生まれ、1928年にオスカー・シンドラーと初めて出会い、6週間付き合った後の1928年3月6日にオスカーの故郷であるスビタビ郊外で結婚した。
「彼は愛想がよく、親切で、非常に寛大で慈善的でしたが、同時に、まったく成熟していませんでした。彼は絶えずウソをついて私をだまし、その後、いたずらに巻き込まれた少年のように、もう一度許してほしいと頼み、私は気の毒に思って戻りました。それから、私たちは最初からやり直しました… 」
1938年、失業中の夫オスカー・シンドラーはナチ党に入党し、ポーランドのクラクフに移ったが、妻のエミーリエはスビタビに残った。オスカーは、破産していたエナメル製品工場の所有権を獲得し、Emaillewaren-Fabrikと改名。右腕のシュターンの力もあって工場は軌道に乗り、大儲けした。しかし、お金が足りなくなったとき、エミーリエは宝石を売って食べ物、服、薬を買った。彼女は、闇市場で購入した医療機器を持って、チェコ保護領ブリンリッツのキャンプにある秘密の療養所で病気の労働者の世話をしたりもした。
戦後、シンドラー夫妻は、数十人の「シンドラーのユダヤ人」とともに、アルゼンチンのブエノスアイレスに逃げた。 1949年、彼らは農民としてそこに定住し、ユダヤ人組織によって財政的に支援された。
1957年、破産したオスカー・シンドラーは妻を捨てて独りドイツに戻り、1974年に死去した。
彼らが離婚した事実はないが、二度と会うこともなかった。

1993年、映画『シンドラーのリスト』の制作中に、エミーリエと多くの生き残った「シンドラーのユダヤ人」がエルサレムにあるオスカーの墓を訪れた。彼女は映画で彼女を演じた女優、キャロライン・グッドールを伴っていた。
エミーリエはシンドラーについてこう語っている。
「なぜあなたが私を捨てたのかわからない…でも、あなたの老後や死後さえも変わらないのは、私たちがまだ結婚しているということです。私たちは神の前にいます。私はあなたを許している、すべてを… 」

エミーリエは、ブエノスアイレスの南西40 kmにあるサンビセンテの小さな家に、50匹のペットと長年住んでいた。彼女はイスラエルとドイツから少額の年金を受け取った。アルゼンチンの警察は、反ユダヤ主義の過激派グループから彼女を警護するために24時間体制で彼女の家を警備した。

晩年のエミーリエ

2001年7月、ベルリンへの訪問中に、エミーリエは記者団に、最後の数年間をドイツで過ごすことが彼女の「最大かつ最後の願い」であると語った。
彼女は、94歳の誕生日の2週間半前の2001年10月5日の夜、ドイツのシュトラウスベルクのメルキッシュ・オーダーランド病院で、脳卒中で亡くなった。
彼女はミュンヘンから約1時間離れたヴァルトクライブルクにある墓地に埋葬された。彼女の墓石には、「Wer einen Menschen rettet、rettte die Ganze Welt(「1人の命を救う者は、全世界を救う」)」の言葉が刻まれている。

エミーリエは、第二次世界大戦中の行いに対し、いくつかのユダヤ人組織から表彰された。 1994年5月、シンドラー夫妻は、戦争中にアンネ・フランクとその家族を匿った女性ミープ・ヒースとともに、イスラエルのホロコースト国立記念館「ヤド・ヴァシェム」から「諸国民の中の正義の人賞(the Righteous Among the Nations award)」を受賞した。
1995年に、彼女はアルゼンチンの元首ではない外国人に与えられる最高の名誉である「5月の勲章」も受章している。彼女の人生は、エリカ・ローゼンバーグの著書『光と影が出会う場所』に影響を与えた。
彼女はトマス・キニーリーの著書「シンドラーの箱舟」と、それに基づく映画『シンドラーのリスト』に登場し、キャロライン・グッドールが演じている。

参考:Wikipedia英語版

『シンドラーのリスト』データ

日本版ポスター
英語版ポスター

題名 『シンドラーのリスト』 原題『Schindler’s List』
原作 『Schindler’s Ark』
公開 1993年11月30日
上映時間 195分
製作国 米国
言語 英語

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『シンドラーのリスト』キャスト

シンドラー役 リーアム・ニーソン(Liam Neeson)1952年6月7日生まれ。北アイルランド出身の俳優。本作出演時は、41歳。

ダブリンのアビー・シアターの一員になり、舞台俳優としてキャリアをスタートさせる。映画監督ジョン・ブアマンに見出されて、1981年に『エクスカリバー』で映画デビューを果たした。
1993年公開のスティーヴン・スピルバーグ監督映画『シンドラーのリスト』でオスカー・シンドラーを演じてアカデミー主演男優賞にノミネートされた。また、同年には『アンナ・クリスティ』でブロードウェイデビューを果たし、トニー賞にノミネートされる。1996年公開の『マイケル・コリンズ』でマイケル・コリンズを演じてヴェネツィア国際映画祭 男優賞を受賞。
1999年公開の『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』では主役のクワイ=ガン・ジンを演じた。
2010年には再びスピルバーグとタッグを組み、エイブラハム・リンカーンを演じることが決まっていたが、このプロジェクトは時間がかかり過ぎ、「58歳になった自分が56歳で死去したリンカーンを演じるのはふさわしくない」と降板を決意した。
2015年、スパイクテレビ主催のガイズ・チョイス・アワードで「ビゲスト・アス・キッカー(最もタフな男)」賞を受賞 。

引用元:Wikipedia


イザック・シュターン役 ベン・キングズレー(Ben Kingsley)1943年12月31日生まれ。イギリスの俳優。1982年の『ガンジー』でアカデミー主演男優賞を受賞。

父はインド人の医師、母はイギリス人のファッションモデル・女優。父はケニア生まれで、先祖はイギリス領インドのグジャラートからやってきたイスラム教徒だった。父方の祖父は香辛料を売買する商人で、インドからザンジバルへ移住した。
父と同じく医師になるつもりだったが、19歳のときに観た『リチャード三世』の舞台に感銘を受けて俳優を志すようになった。1966年にビートルズのマネージャーが製作したロンドンの舞台で、ナレーターとギターと歌を担当したのが初舞台。閉演後にジョン・レノンとリンゴ・スターに音楽の道を進むように勧められたこともあるという。
1967年にロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに招かれ、シェイクスピア役者として活躍した。1970年代にはテレビにも多く出演した。1982年の『ガンジー』でアカデミー主演男優賞を受賞した。その他に『バグジー』『セクシー・ビースト』『砂と霧の家』で3度アカデミー賞の候補になっている。

引用元:Wikipedia


アーモン・ゲート(Amon Göth)役 レイフ・ファインズ(Ralph Fiennes)

1962年12月22日生まれ。イギリスの俳優、映画監督、映画プロデューサー。『ハリー・ポッター』シリーズに、最も恐ろしい闇の魔法使いであるヴォルデモート役で出演。 

ファインズは王立演劇学校で舞台俳優としてのキャリアをスタートさせ、1988年にはロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに参加。1995年にはブロードウェイで『ハムレット』に主演し、トニー賞を受賞。 
1992年公開の『嵐が丘』で幼馴染に裏切られ復讐を誓うヒースクリフ役で主演する。翌年、『シンドラーのリスト』で悪役であるSS将校アーモン・ゲートを演じ、米英両国のアカデミー助演男優賞にノミネートされる。アメリカではノミネートに止まったが、英国アカデミー賞では受賞した。 
2011年にはウィリアム・シェイクスピアの悲劇『コリオレイナス』を現代の戦争映画風に翻案した『英雄の証明』を製作・監督・主演し、映画監督としてデビューした。 
2014年公開の『グランド・ブダペスト・ホテル』では好色なホテル支配人ムッシュ・グスタヴ役で主演し、英国アカデミー賞 主演男優賞、ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされた。

引用元:Wikipedia


エミリエ・シンドラー(Emilie Schindler)役 カロリーヌ・グッダル(Caroline Goodall)1959年11月13日生まれ。ロンドン出身のイギリスの女優、脚本家。キャロライン・グッドオールと表記されることもある。

両親はオーストラリア出身。ブリストル大学で演劇と英文学を学ぶ。卒業後、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに所属。
1990年代から、『フック』、『クリフハンガー』、『シンドラーのリスト』、『ディスクロージャー』など、多くの話題作に立て続けに出演する。

引用元:Wikipedia


ポルデク・ペファーベルグ(Poldek Pfefferberg)役 ジョナサン・サガル(Jonathan Sagall)April 23, 1959年4月23日生まれ。トロント出身のカナダの俳優、プロヂューサー、監督。


ヘレン・ヒルシュ(Helen Hirsch)役 エンベス・デイヴィッツ(Embeth Davidtz)1965年8月11日生まれ。アメリカの女優。『マチルダ』(1996年)のミス・ハニー役。『アンドリューNDR114』 (1999)、『ブリジット・ジョーンズの日記 』(2001)、『13ゴースト』 (2001)等に出演。

Photos:IMDb

『シンドラーのリスト』クリエイター

監督 スティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)Photo by Gage Skidmore 1946年12月18日生まれ。アメリカの監督。『ジョーズ』 (1975)、『未知との遭遇』 (1977)、『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』 (1981)、『E.T. 』(1982)、『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』 (1984)、『グレムリン』 (1984)、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』 (1985)、『ジュラシック・パーク 』(1993)、『プライベート・ライアン』 (1998)、『恋におちたシェイクスピア』(1998)、『A.I. 』(2001)、『ER緊急救命室』 (1994)等、関わった人気作品は多数。

脚本 スティーヴン・ザイリアン(Steven Zaillian)
原作 トーマス・キニーリー(Thomas Keneally、オーストラリアの作家)『Schindler’s Ark』(シンドラーの箱船)
製作 スティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)、ジェラルド・モーレン(Gerald R. Molen)、ブランコ・ラスティグ(Branko Lustig)
製作総指揮  キャスリーン・ケネディ(Kathleen Kennedy,)
音楽 ジョン・ウィリアムズ(John Williams)
撮影 ヤヌス・カミンスキー(Janusz Kamiński)
編集 マイケル・カー(Michael Kahn)

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