休みの日に彼女と部屋で観るおすすめ映画はありますか。
恋人同士はもちろん夫婦や親子で観られるおすすめの映画を紹介します。
それは「イエスタデイ(YESTERDAY)」です。
「YESTERDAY」と言えば思い浮かぶのがビートルズの楽曲。
そう、ザ・ビートルズをテーマにした映画です。
が、ビートルズが存在しない世界を描いています。
「?」ですね。
最近、イギリスの映画やドラマが好きなザッキーが書きます。
『イエスタデイ(Yesterday)』は、2022年1月現在、Amazon、U-NEXT、dTV、Netflixで配信中!
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『イエスタデイ』のあらすじから
目を覚ましたらそこはビートルズの存在しな世界だった
イギリスの小さな海辺の町サフォークで暮らす元教師のシンガーソングライターのジャックは、
幼なじみの親友エリーから献身的な支えを受けているものの全くの鳴かず飛ばずだ。
夢を諦めかけていたある日、太陽フレアが起こした世界規模の瞬間的なブラックアウト(大停電)が12秒間発生、自転車で帰宅途中だったジャックはバスに跳ねられ昏睡状態に。
目を覚ますと前歯2本を失い「逆ウサギ状態」の顔になったがそれ以上の損傷は受けずに済んだ、
が、事故でギターが破損し、友人たちから贈られたギターで歌った曲が「YESTERDAY」。
ところが友人たちは初めて聞く曲で、良い曲だが少し甘いとか、ビートルズだと説明すると「それは虫か車か」という始末。
なんとジャックが目覚めた後の世界は「THE BEATLES(ザ・ビートルズ)」が存在しない世界になっていたのだ。
そのことに気づいたジャックは、ビートルズの曲や歌詞を必死に思い出し、再現する。
人前で歌うと最初は反応が鈍かったものの、店で歌っていたところをギャビンという男性が注目し、自分のスタジオを使ってCDを製作しようということに。
そのCDをジャックが働くスーパーで商品のおまけとして無料プレゼントしたことが話題となって地元のテレビ局の番組に招かれ、「In My Life 」を歌う。
エド・シーランが突然ジャックの家を訪ねて来た
その地元のテレビでジャックの曲を聴いたEd Sheeran(エド・シーラン)を演じる本人がジャックの家に訪ねて来て、ヨーロッパツアーの前座に誘う。
実はエド・シーランの出身地はサフォークなのだ。
エドのプライベートジェットでロシアに飛び前座で歌った「Back in the U.S.S.R」は、聴衆から熱狂的に受け入れられる。
ジャックが「Back in the U.S.S.R」 を3時間のフライトの最中に作ったと聞いて驚くエド。
「”ソ連”ってのがシブいな。君が生まれる前の呼び方だ」
で、闘争心を燃やしたエドがジャックに勝負を挑む。
10分でどちらが名曲を書くかというプライドをかけた勝負だ。
エドが歌い、続いてジャックが「The Long And Winding Road」を披露する。
エドが言う。
「たまげた。いつか誰かに追い抜かれると思っていたが、ジャック、それが君だった。生涯で最高の曲を書いた」
と投票はせずエドが負けを認める。
「君はモーツァルト、僕はサリエリだ」
エドと入れ替わりにデブラというエドの女性マネージャーがジャックに寄ってきてLAに来い言う。
LAでジャックはデブラからこう言われる。
「私が差し出そうとしているのは、世界一甘い毒杯(great gorgeous poisoned chalice)よ。お金と名声(fame)。飲みたくないならそれも結構。のどかなイギリスで生ぬるいビールをどうぞ。でもこの毒杯を飲みたいなら、『デブラ、喉がカラカラだ。僕に毒杯をくれ』と言いなさい。どっち?」
ジャックは答える。
「毒杯を」
ここ、英語ではtake a chanceと言ってたと思うので、直訳すると「いちかばちかやってみる」で、「毒杯を」とは言ってない。
それはさておき、ここからジャックは世界のスターの道を登り始める。
エリーとリバプールで再会するが結ばれず
「Strawberry Fields Forever」や「Penny Lane」を発表す前にジャックはどうしてもリバプールに行く必要があった。Eleanor Rigby(エリナー・リグビー)の墓にも寄る。
そこでエリート再会し楽しいひと時を過ごし、ホテルの部屋で2人きりになり良い雰囲気になるが、寸前でエリーは明日はアメリカに戻るジャックとの「一夜限り」の関係に躊躇(ためら)いが生じて帰ってしまう。
翌朝目が覚めると思い直したジャックはリバプールのライム・ストリート駅へ走る。
エリーの乗る電車に間に合わなかったと思いきや改札の近くのカフェで朝食を摂っていたエリーに会うことが出来た。
そこで「人生の半分の時間あなたを待っていた」とエリーは打ち明ける。
パブの歌手と中学の数学教師だった2人の関係性は変わってしまい、ジャックは今や世界のスター。
「あなたにとって私は幼なじみのエリー、友達枠、喜んでどこへも車で送ってくれる女」
確かにジャックも今までエリーは幼なじみで妹のような存在でしかなかった。
しかし彼女は違ったのだ。
ジャックは彼女を残しLAへ。
「Hey Jude(ヘイ・ジュード)」のスタジオ録音の際、エドから「ジュード」は古臭いから「Dude(デュード=相棒)」に変えたほうが良いと言われたりしている時、エリーから電話が入る。
その内容は、1つめが無名時代のジャックが歌うはずの日の3週間前に倒産ししてしまったピア・ホテルの再オープン、2つめがカレが出来てそのカレがギャビンであることだった。
「彼らの歌をこの世界に残してくれて、ありがとう」
そこでジャックはファースト・アルバム発表の場にピア・ホテルを選ぶ。
ライブの後、楽屋にリバプールの女性とモスクワの男性が訪ねて来た。
女性が言う。
「ペニー・レインに来たでしょ? エリナーのお墓にも。知らない場所の歌は歌えない」
ジャックは盗作がバレたかと不安な表情で「ええ」と答える。
が、彼女が発した言葉はジャックの予想とは違った。
「お礼を言いたかったの。彼らの歌をこの世界に残してくれて。ありがとう」
男性も感謝を述べた。
「心からお礼を言います」
女性は、
「ビートルズのいない世界はたまらなく退屈。ありがとう。正しく使ってね」
「難しいよ。カネに名声…詐欺師になった気分だ」
と続けて、「救いになるかも。調べてみたの」と言って一枚の紙切れをジャックに渡して2人は去った。
「エリナー・リグビー」(英語: Eleanor Rigby)秘話
歌詞は、エリナー・リグビーという身寄りのない老女と、誰からも相手にされないマッケンジー神父という架空の人物を悲劇的に書いた物語調になっている。この主人公の名前は元々「Miss Daisy Hawkins(ミス・デイジー・ホーキンス)」という名前だった。
引用元:Wikipedia
エリナーの名前は映画『ヘルプ!』で共演した女優エリナー・ブロンから、姓のリグビーはマッカートニーがブリストルで見かけた会社の名前から取り、マッカートニーが言葉遊びをしてる間に「リグビー」になった。
なお、後にリヴァプールのセント・ピーターズ教会(英語版)(レノンとマッカートニーが初めて出会った場所でもある)のウールトン共同墓地に実在のエリナー・リグビー(1895年-1939年)の墓があることがわかり、リヴァプールを訪れるビートルズ・ファンの『聖地』となった。ただし歌詞に出てくるキャラクターとは関係ない。
セント・ピーターズ教会の、ウールトン共同墓地にあるエリナー・リグビーの墓石
なお、マッケンジー神父は最初は「マッカートニー神父」だったが、「自分の父親のことだなんて勘違いされちゃ困るなぁ」とマッカートニーが判断して新たに電話帳から選び出した。
ジョン・レノンはこの世界では生きていた!
そのメモに記された住所をジャックが訪ねると海辺の家で、ドアを開けて現れた男にジャックは尋ねる。
「ジョンさん?」
「そうだが」
「リバプール出身?」
「そうだよ」
「会えて光栄です」
部屋には絵筆や絵具や作品があり、絵描きのようでもある。
ジャックはジョンに尋ねる。
「ジョン、幸せな人生を?」
「とてもね」
「でも勝ち組とは‥」
「幸せだった。それ以上の勝ちはないさ。長年船乗りをやって世界中を旅した。信念をかけて闘い、勝ちもした。愛する女と出会い周りとはモメたが共に生きた」
「モメた?」
「複雑なんだ。君の名は?」
「ジャック」
「複雑な事情があった。別れ、出会い、偏見やプライド、それでも振り返れば…幸せだった。キミ恋人は?」
「いません。手を離してしまった」
「取り戻せ。幸せになる秘訣を知りたいか?愛する女に愛を伝えウソをつかずに生きることだ」
どこかユーモラスな2人の会話が続く。
「ハグしても?」
「何だ?」
「会えてよかった。今何歳ですか」
「78だ」
「素晴らしい。よく78まで」
「ヘンな奴だな。いいよ」
ハグの了解を得て、ジョンにハグするジャック。
「ちゃんと精神科にかかれ」
「もう大丈夫」
ジャックの心はこの瞬間、決まった。
真実と愛を選ぶジャック
早速エドに電話を入れ、「一生の願い」を請うのだった。
一生の願いとは、エドのウェンブリーでのライブに飛び入り参加し歌わせてもらった後、あるメッセージを述べることだった。
「I Saw Her Standing There」
「Here Comes The Sun」
「All You Need Is Love」
これら3曲を歌った後に、大画面にエリーの姿が映し出される。
ジャックは2つのミスを犯したと真実を告げる。
1つめのミスは、曲の作者がジョンレノン、ポールマッカートニー、ジョージハリソン、リンゴスターの4人なのに自分が作者だとウソをついたこと。
2つめのミスは、エリーのこと。
「エリー、愛している、ずっと前から。ずっと」
2人は結ばれ、映画は何年後かの今に飛ぶ。
ジャックとエリーには2人の子どもがいて、大勢の児童や生徒たちの前でジャックが「Ob-La-Di, Ob-La-Da」を歌い、歓声が上がる。
そして本物のビートルズの「Hey Jude」が流れる中のエンドロール。
『イエスタデイ(Yesterday)』予告編(YouTube)
\『YESTERDAY』本篇を観るなら/
「イエスタデイ」を観た感想ほか
この映画のテーマの主眼は、もしザ・ビートルズが存在しなかったらこの世はつまらないということと、カネや名声よりも大切なのはラブということ。
あらすじの項でも書いたが、脚本家のリチャード・カーティスは、映画の中で「78歳のジョン・レノン」に次のように語らせている。
「幸せになる秘訣を知りたいか?愛する女に愛を伝えウソをつかずに生きることだ」
この言葉で迷いが吹っ切れた主人公は、エド・シーランのライブに飛び入り参加して、自分が犯した2つの過ちを告白する。
ビートルズは存在しないのだから、自分の曲だとウソをついても被害者はいない。
黙っていれば、カネも名声も女も手に入れられる。
だけどジャックは、そんな「毒杯」を飲むことを拒み、幼なじみののエリーとの愛を選ぶ。
ライブ会場を抜け出した2人は、エリーの家に向かい、そこで2人はやっと結ばれる。
翌朝、彼は言う。
「戦いに勝ったハリー・ポッターの気分だ。やっと日常に戻れる。普通がいいよ」
ところがエリーの反応は、「誰?」
ハリー・ポッターを知らない、つまり存在しないのだ。
この物語の世界にはビートルズ以外にもなぜか存在しないものがいくつか描かれる。
「オアシス」、コカ・コーラ(コーク)、シガレット(たばこ)、そしてハリー・ポッターだ。
たばこがないということは、肺がんで亡くなったジョージ・ハリスンもこの世界では存命であることを示唆しているとか。
それにしても、熱狂的なファンに撃ち殺されることもなく無事78まで生きて来たジョン・レノンが語る「幸せになる秘訣を知りたいか?愛する女に愛を伝えウソをつかずに生きることだ」というセリフは深い。
同じ脚本家が描く「ラブ・アクチュアリー」同様、恋人同士はもちろん、家族で楽しめる心温まる物語だ。
因みにエドシーランは主人公ジャックと同じくイギリス・サフォークの出身で、ジャックの恋物語はエド・シーランの姿にも重なる。
さまざまな仕掛けがあって、いろいろな角度から楽しめる映画なのだ。
「イエスタデイ」のキャスト
[主人公ジャック]ヒメーシュ・パテル(HIMESH PATEL)
イギリスの人気テレビドラマ「イーストエンダーズ」に出演。
14歳までピアノを習っていたが反抗期ということもあってギターを始めたという。
[ジャックの幼なじみエリー]リリー・ジェームズ(LILY JAMES)
イギリスの女優。ギルドホール音楽演劇学校を2010年に卒業。2012年に『タイタンの逆襲』で、長編映画デビュー。
映画「マンマ・ミーア! ヒア・ウィ・ゴー」、2012年、イギリスのテレビドラマ『ダウントン・アビー』第3シリーズでレディー・ローズ・マクレア役を演じ人気に。2013年、ディズニー映画『シンデレラ』(2015年日本公開)のヒロイン・シンデレラ役に。2016年、舞台『ロミオとジュリエット』でジュリエット役に抜擢され、『シンデレラ』で共演したリチャード・マッデンと再共演を果たす。
[マネージャーのデブラ]ケイト・マッキノン(Kate McKinnon)
アメリカのコメディアン。名門コロンビア大学在学中にコメディ集団を結成。LOGO TV製作のコメディ番組『Big Gay Sketch Show(原題)』へ出演してコメディエンヌデビュー。2012年からは全米放送のライブ・バラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』のレギュラーキャストに抜擢。2014年にはアメリカン・コメディ・アワードを受賞。主な映画出演作「ゴーストバスターズ」2016年版。本作ではカネと名声という毒杯を自らたっぷりと味わいジャックにもそれを飲ませようとする毒婦を演じる。
[エド・シーラン]エド・シーラン(Ed Sheeran)
イギリスのシンガーソングライター。
『グラミー賞』4回受賞(13回ノミネート)。ルーパーペダルとアコースティックギターを駆使し、特徴的なメロディーを奏でることで知られる。
イングランドのウェストヨークシャー・ハリファクスにて、アイルランド人とイングランド人の両親の元に生まれ、生後まもなく家族と共にイングランド東部サフォーク州フラムリンガムに引っ越した[10]。ギターは幼少時から習い始めた。
引用元:Wikipedia
エドの家族は芸術一家としても知られており、父はアートキュレーター(美術講師)、母は自身のグッズ製作を行うジュエリーデザイナー、2歳上の兄マシューは作曲家として活躍している。
上半身を埋めるほどのタトゥー愛好家でもある。
脚本を手掛けたリチャード・カーティスは、どうしてもエド・シーランに出演して欲しいかったのだそうだ。
「売れなかったミュージシャンがその後、世界で最も成功するというエピソードや、彼の恋愛模様についてはエド・シーランがモデル」と語っている。
エドは、本作のために「One Life」「Penguin」2曲の楽曲を提供しているが、
そのうちの1つ「One Life」は、脚本家 リチャード・カーティスの希望に応え、本作のために書き下ろしたもの。
が、この2曲は、映画のサントラ盤にも収録されないため、映画のみで聞くことができる。
[ジョン・レノン]
(ノンクレジット)ジョン・レノンの大ファン
ジョン・レノンの人生と思い出に敬意を表すため誰が演じているかを公表しないという契約がフィルムメーカーと俳優の間でなされているそうだ。
『イエスタデイ』作品データ
- 題名 『イエスタデイ』
- 原題 「Yesterday」
- 国 イギリス
- 公開 2019年
- 上映時間 117分
- 年齢制限 G
クリエイター
[監督]ダニー・ボイル(Danny Boyle)
イギリス・マンチェスター出身の映画監督。「トレインスポッティング」『28日後…』、「スラムドッグ$ミリオネア』ではアカデミー賞を8部門を受賞
「私にとってザ・ビートルズはとても大切な存在。僕はメンバーの出身地から20マイルほどのところ(マンチェスター:Zackey註)で育ちました。生き方、仕事、経済、自己表現といった意味で、ポップカルチャーに火をつけた彼らの偉業を通して僕たちは今を生きています」
「彼が脚本を送ってきたから『読んでみる』とは言ったが、こんな風に飛びつくことになるとは思わなかった。全く違う角度からビートルズを捉えるという点にほれてしまったんだ。伝記物でもなく、ストレートにビートルズを描写するでもなく、ラブストーリーというリチャードの得意なプリズムを通して、そして“ビートルズが消えてしまった世界”というとてもコミカルなアイデアを通して描く。ビートルズという不朽の存在を扱うのに、何て素晴らしい方法だろうと思ったよ」
「問題は“自作の曲は微妙”というミュージシャンを演じながら、それと同時にビートルズに敬意を表した演奏ができる人を探せるのか? ということだった」
「本当にたくさんの人たちをオーディションした」
引用元:シネマトゥデイ
その結果選ばれたのが、新鋭ヒメーシュ・パテルだった。
「ヒメーシュは、ビートルズの曲を新鮮に聴かせることができる唯一の人だったんだ。もちろん何度も聴いている曲だから新しくはないんだけど、彼が歌うと新鮮さがあった。なぜなのか突き止めようとしているんだけど、今でも説明できない」
引用元:シネマトゥデイ
で、ヒメーシュの歌唱&演奏シーンは全て撮影現場でのライブにこだわったそうだ。
「ジャックが最初ハマることになる“ポップスターの世界”は、本物の世界じゃない。普通の学校の先生という彼の世界、そしてジョン・レノンの船乗りとしての暮らし、海のそばでのとてもシンプルな暮らし、そうした普通さが、スーパースターの世界とつながる。だからこそ、彼らの生き方や言葉に感動させられるし、笑えもするんだ」
引用元:シネマトゥデイ
[脚本]リチャード・カーティス(RICHARD CURTIS)
「ラブ・アクチュアリー」、『ノッティングヒルの恋人』、『ブリジット・ジョーンズの日記』等で知られるアカデミー賞ノミネート脚本家、『アバウト・タイム ~愛おしい時間について~』では監督も兼任。ビートルズの大ファン
[プロデュース]TIM BEVAN, ERIC FELLNEER
\『イエスタデイ』は下記VODで/