
今私がはまっているドラマは、インドの『ポロス〜古代インド英雄伝〜 』です。
原題は『PORUS』です。
紀元前350年頃の古代インドを舞台に繰り広げられる壮大な物語で、総制作費は何と81億円、全299話だそうです。
私は何十年も前からインド(計4回渡印)やインド映画が好きで、制作費につられて見始めたワケではありません。
でも、インドやインド映画好きでなくても、このドラマはハマる要素がたくさんあります。
それには後ほど触れますが、まずは壮大なストーリーの前提となる序段を説明します。
▽「ポロス」はHuluオリジナル▽
ライバルの国の王と結婚したアヌスヤの数奇な運命

古代インドには、パウラヴァとタクシラの二大王国が栄えていましたが、この二国は対立しながらも共存していました。
富をもたらすジェーラム川 (ヒュダスペス川)の主導権(通商権)も、競技大祭で王同士が競技して、勝ったほうが取っていました。
戦(いくさ)ではなく王同士が競って勝ったほうの国が権利を獲得するというなんとも古代らしい平和的(?)な決め方です。
パウラヴァのバム二王が勝って、あわやタクシラ国のアンビ王が殺されるかとおもいきや、その時、バムニ王は助けを求めるある女性の声を聞いて、思いとどまります。
その女性こそ、タクシラ王の妹アヌスヤでした。
パウラヴァのバムニ王はアヌスヤに実は一目惚れして(?)二人は結婚することになります。
アヌスヤは永年の対立を超え2国が融和することを夢見ており、自分がパウラヴァのバムニ王の妃になることで、夢が実現できると考えたのです。
アヌスヤの考えは、第1話の次の言葉に表れています。
「私たちはこの国の礎を築いたバラタ族の末裔。子は宝です。遺恨のために国の未来を弄びたくありません」
ところがバムニ王は、初夜を終えると豹変し、王妃を使用人の部屋に追いやってしまいます。
なぜでしょうか。
それはドラマを観てくださいね。
アレクサンダー大王とジェーラム川で決戦
このドラマの本当の主役は、タイトルのとおり、パウラヴァのバムニ王とアヌスヤ王妃との間に生まれ数奇な運命を辿るポロスです。
国王の息子でありながら赤ん坊の時に殺されそうになり、一命を取りとめがらも盗賊の一員として育つという数奇な運命をたどった主人公・プル(ポロス)。
このドラマは、そのプルが再び祖国に戻り、やがて王として世界最強の征服者・アレクサンダー(アレクサンドロス)大王との歴史的な戦いに挑むまでを描きます。
元来ポロスとは王の愛称で、名前ではありません。
ドラマでは「プル」という名が与えられていますが、名前は不明で、パルヴァータカ王がポロスだという説もあります。
ポロスは、奇しくも彼の誕生と時を同じくしてマケドニアに誕生したアレクサンダー三世と、後にジェーラム川で戦うことになります。
その辺りの史実は、ウイキペディアから引用させてもらいます。
ギリシア系史料によれば、紀元前327年にアレクサンドロス大王がインド西北部に侵入した当時、この地域には3人の有力者がいた。ひとりはインダス川上流のタキシラの王国を父から受け継いで間もない新首長・タクシレス(英語版)(古代ギリシア語: Taxiles、ヒンディー語: Ambhi アーンビ)であり、もう一人はカシミール地方を支配するアビサレス(英語版)王、そして最後が東部パンジャブのポロス王であった。
当時ポロスの領土はインダス川の支流のひとつヒュダスペス川(現在のジェルム川)からアケシネス川(現在のシェナブ川)にいたる肥沃な地域にあり、ギリシアの記録によれば騎兵4千、歩兵5万、戦車300、戦象200を動員できたという。ポロス自身は身長2mを越す巨漢で、勇猛並びない戦士であったとされる。
ポロスは長年タキシラの王と争っていた。そのためタキシラの新首長・タクシレスがいちはやくアレクサンドロスに降ったことを知ると、カシミールのアビサレスと結んでマケドニア軍への抗戦を決定し、領国西境のヒュダスペス川でアレクサンドロスの侵攻軍を阻止することにした。
紀元前326年の夏のはじめ頃、アレクサンドロスはタクシレスらインドの同盟諸侯とともにヒュダスペス河畔に到達した。アレクサンドロスは対岸でポロス率いる大軍がマケドニア軍を待ち受けているのを知ったため、軍を河畔にとどめて戦機を探った。正面から渡河を強行するのは危険であるため、アレクサンドロスは騎兵を使って毎夜のように陽動作戦を展開し、ポロスの軍がそれに応じるのに疲れるのを待って、嵐の夜に少数の精鋭騎兵を率いて上流に迂回し、ひそかに川を渡った。
ポロスは間もなくこれに気付いて息子の一人を迎撃に送るが、この小部隊はアレクサンドロスに粉砕された。ポロスは全部隊に迎撃の構えを取らせるが、アレクサンドロスが対岸に残していた部隊に背後を衝かれたこともあって敗北する。このときポロスは同盟者アビサレスの援軍を期待していたという説もあるが、アビサレスはマケドニア軍侵入のほぼ全期間を通じて形勢眺めに終始した。
ポロスは兵が次々に倒れても最後まで戦象の上で奮戦し続けたので、その勇気に感嘆したアレクサンドロスは降伏を勧める。アッリアノスによればアレクサンドロスははじめタクシレスを使者に立てたがポロスが相手にしなかったため、何度も勧告使を送り、最後にポロスの旧友メロエスという人物によって説得に成功したという。なお、現代インドの研究者の中にはこのメロエスをのちのチャンドラグプタ・マウリヤに比定する者もいるが、根拠はきわめて薄弱である。
アレクサンドロスに処遇の希望を訊かれたポロスは「王として待遇せよ」とだけ答えた。アレクサンドロスがさらに問いを重ねると、「すべてはこの答えの中に含まれている」と言った。アレクサンドロスは彼の勇気と誇り高さに敬意を払い、彼に領国すべてを安堵したうえ友人として遇したという。
出典:Wikipedia
アレクサンダー大王に敗れたとはいえ、勇気を讃えられ、今までどおり領国を任せられ、インドを守ったことから、インドの英雄となったわけです。
突っ込みどころ満載だけどグイグイ引っ張る展開、これぞドラマ!

とにかく目の大きな目ヂカラの強いイケメンや美女が次々と登場します。
そして皆さん、顔が濃い!
プル(後のポロス王)を演じる俳優の目も決して小さいワケではありませんが、他の目の大きな俳優の中にあっては小さく見えます。
やや顔が長い馬面も、日本人からするとイケメン?と最初は思わず突っ込んでしまいますが、見ているうちに次第にイケメンに見えて来ます。
ある場面から20年後に飛び、プルは大人になりますが、育ての父母やパウラヴァのバムニ王、その兄のシヴダット宰相、ペルシャ商人(後のペルシャ王ドレイオス)はまったく老けません。
重大な場面では、主要人物の顔が次々とアップになり、日本のドラマでは3秒で済む描写に3分かけ(測ったわけではなく感覚的に)、引っ張りに引っ張ります。
戦いの場面で主人公が長いセリフを語っていると、敵が攻めて来ません。
腹を思い切りモロに刺された司令官、大滝から落とされた赤ん坊、はたまた大きな石に繋がれ大滝から落とされた母親。
この人らがみな奇跡的に助かるのですから、驚きです。
突っ込みどころ満載です。
でも、オイオイと思いつつも、グイグイとストーリー展開に引っ張られ、次々と観てしまいます。
これこそドラマだ。
日本のテレビ製作者らが失ってしまったパワーがインドドラマにはある。
と私は思うのです。
また、インドならではの人海戦術と、やや質の低いCGの使いまくりも魅力です。
映画やドラマも、いよいよインドの時代と予感させられます。
BS日テレで放送。Huluなら初回から先行配信!
BS日テレでは本日シーズン1の第19話と20話が放送されましたが、Huluでは平日の正午に2話ずつ配信されており、現在シーズン1の第38話までが配信されています。(2019年9月24日現在)
※追記 2019年10月16日、Huluではシーズン1が70話で終了しました。
シーズン2は、2019年12月2日スタート、1話ずつ配信で、全64話です。
私はHuluで見ています。
Huluなら初回から通しで観られます。
20年前一商人としてやって来たペルシャのダレイオスがペルシャ王として再来して、パウラヴァ国のバムニ王から盛大な出迎えを受けます。
そこにプルと赤ん坊の頃からの幼馴染である海賊の王子と王女、死んだと思われた母のアヌスヤが一堂に会し…。
因みに、プルという名は史実ではありません。
ドラマの中で、母のアヌスヤ王妃が王に「プルショータム(至高の人)」だから「プル」と名付けようという場面があり、そこから付けられた名です。
ますます今後の展開に目が離せません。
いつの間にかこの『ポロス』のテーマ曲を口ずさむ自分に気がつくことでしょう。
▽「ポロス」はHuluオリジナル▽



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