『ローマに消えた男』あらすじ(ネタバレ)とキャストと感想[コメディ映画]

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人気急上昇の最大野党党首は実はニセモノだった? (c)BibiFilm /RaiCinema
はてなちゃん

ウイットに富んだ楽しい映画を紹介してもらえますか。

そんなあなたのご要望にお応えします。

邦題の『ローマに消えた男』と言うとスリラーを想像してしまうが、原題は『Viva la libertà』(直訳すると『自由万歳』)。

イタリア統一選挙の直前、野党第一党の党首が突然行方をくらましてしまったため、秘書が双子の兄を替え玉にしてピンチを凌ぐ。

ところが偽物は自由奔放に発言してメディアや民衆を魅了し、低迷していた支持率はあれよあれよと急上昇。

この先、どうなるのだろうとヤキモキさせる。

ウイットとユーモアに富んだ、自由を愛するイタリアらしい、大人のための政界コメディだ。

笑いの後に、しんみり漂うペーソスもなんとも言えない。

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『ローマに消えた男』あらすじ

原題『VIVA LA LIBERTA』は「自由バンザイ」だが邦題はなぜ『ローマに消えた男』

国政の統一選挙を控えた大事な時に、次期政権奪取を狙う最大野党の党首エンリコは、下がる一方の支持率に自信喪失気味。

党大会で参加女性からも大声で詰(なじ)られ、翌日の大切な会議の前に失踪してしまう。

あわてた秘書のアンドレアは、「体調を崩した」はては「入院した」とウソをつき、時間を稼ぎ、対策を考える。

エンリコの妻のアンナから双子の兄の存在を聞かされたアンドレアは、精神病院から退院したばかりの兄ジョヴァンニを訪ねる。

すると彼は一卵性双生児のためエンリコに瓜二つ。

レストランで食事中、アンドレアが席を外した際、記者から取材を申し込まれたジョヴァンニは機知に富んだ返答をし、翌日の朝刊の記事は反響を呼ぶ。

エンリコは未だ行方知らずなのに、統一選挙は迫って来る。

窮地に陥ったアンドレアは、エンリコの妻アンナの了解を得て、ジョヴァンニをエンリコの替え玉に仕立てる。

さて、その結果やいかに?

『ローマに消えた男』予告篇(You Tube)

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『ローマに消えた男』を観た感想

トニ・セルヴィッロ(左)の演技も素晴らしいが、ヴァレリオ・マスタンドレア(右)の抑えめの演技も見事。

「イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男」「ゴモラ」「眠れる美女」そして「グレート・ビューティー 追憶のローマ」とイタリア映画を代表する俳優トニ・セルヴィッロ

そのセルヴィッロが、双子の微妙な差を見事に演じ分けるサマは見事としか言いようがない。

セルヴィッロの個性強いエネルギーを、アンドレア役ヴァレリオ・マスタンドレアはうまく受け止めながらも決して負けることのない存在感を発揮するところも見どころだ。

最初は調子が良くてウソつきの軽い男に見えたアンドレアが後半は深味のある人間に見えてくるから不思議だ。

双子が入れ替わるというプロットに新鮮さはないが、国政選挙前の最大野党の党首が入れ替わり、低迷していた支持率が回復するという展開は新鮮だ。

『ローマに消えた男』という邦題からサスペンスを連想しそうだが、原題は直訳すると『自由バンザイ!』で、こもタイトルのほうが内容を表しているし、イタリアっぽい。

真に志ある指導者が不在の今、このような人が現れたら、秘書のアンドレアでなくても投票したくなるかもしれない、と思わせられる。

だが、ジョヴァンニが演説で好んで引用するドイツの詩人であり劇作家だったブレヒトには、こんな名言があることを忘れてはいけない。

英雄のいない時代は
確かに不幸だ。

しかし英雄を必要とする時代が
もっと不幸なのを
忘れてはいけない。

何というアイロニーだろうか。

また、妻に手紙を残し突然姿を消したエンリコは、ただ逃げただけには思えない。

「後はアンドレアが何とかしてくれるだろう」と置き手紙に記したエンリコの意図は、アンドレアがやがて双子の兄に行き着き、替え玉に仕立て上げると読んだ、ある種の信頼感、いや、アンドレアを操る意図が窺える。

エンリコがジョヴァンニを替え玉にするのではなく、あくまで自然な流れでアンドレアがジョヴァンニを替え玉に仕立てるように仕向けたと思うろ、ゾクッとする。

ユーモアやウィットで何度も笑いを誘われ、その後のペーソスでしみじみとさせられる、日本映画にはない大人の味の映画だ。

ところで最後の場面、書記長室にいた男は、エンリコかジョヴァンニか。

この映画を見終えた後、あなたはどちらと判断するか。

エンリコ? それともジョヴァンニ?

ヴェルディの楽曲「運命の力」が脳内で鳴り止まない。

註釈 ブレヒトとは?
ブレヒト

オイゲン・ベルトルト・フリードリヒ・ブレヒト(Eugen Berthold Friedrich Brecht)
1898年2月10日 – 1956年8月14日。ドイツの劇作家、詩人、演出家。
アウクスブルク出身。ミュンヘン大学時代より文学活動を始め、1922年に上演された『夜うつ太鼓』で一躍脚光を浴びる。
代表作に『三文オペラ』『肝っ玉お母とその子供たち』『ガリレイの生涯』など。第二次世界大戦中は、ナチスの迫害を逃れて各国で亡命生活を送り、戦後は東ドイツに戻り、劇団ベルリナー・アンサンブル(Berliner Ensemble)を設立、死去するまで活動拠点とした。
ブレヒトは政治やマルクス主義との関わりから、役への感情移入を基礎とする従来の演劇を否定し、出来事を客観的・批判的に見ることを観客に促す「叙事的演劇」を提唱した。その方法として、見慣れたものに対して奇異の念を抱かせる「異化効果」を始めとするさまざまな演劇理論を生み出し、戦後の演劇界に大きな影響力を与えた
引用元 Wikipedia

『ローマに消えた男』解説

『ローマに消えた男』は、トニ・セルヴィッロの主演で、ダヴィッド・デ・ドナテッロ賞二冠に輝くウイットとユーモアに富んだ、大人のための人生ドラマだ。

統一選挙を目前に、野党第一党の党首エンリコがローマから行方をくらましてしまう。

秘書アンドレアが苦肉の策で替え玉とした双子の兄ジョヴァンニが、皮肉にもメディアや大衆を惹き付けていくという奇想天外な政界コメディかつアイロニー。

主人公の秘書アンドレアをヴァレリオ・マスタンドレアが演じ、パリの元恋人をヴァレリア・ブルーニ・テデスキが好演している。

『ローマに消えた男』データ

一人二役を象徴する『Viva la libertà(原題)』(自由バンザイ!)のポスター

題名 『ローマに消えた男』英題:『Long Live Freedom』原題:『Viva la libertà』(自由バンザイ!)
公開日  2013年2月14日 (イタリア)
上映時間 94分
 イタリア
 イタリア

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『ローマに消えた男』受賞歴

ダヴィッド・ディ・ドナテッロ脚本賞、 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ助演男優賞、 ナストロ・ダルジェント脚本賞

『ローマに消えた男』キャスト

エンリコ/ジョヴァンニ(Enrico Oliveri/Giovanni Ernani)役 トニ・セルヴィッロ(Toni Servillo)1959年1月25日生まれのイタリア人俳優

アンドレア・ボッティーニ(Andrea Bottini)役 ヴァレリオ・マスタンドレア(Valerio Mastandrea)1972年2月14日ローマ生まれのイタリア人俳優

ダニエル(Danielle)役 ヴァレリオ・ブルーニ・テデスキ(Valeria Bruni Tedeschi)1964年11月16日生まれのイタリア人女優

アンナ(Anna)役 ミケーラ・チェスコン(Michela Cescon) 1971年4月13日生まれのイタリア人女優

エヴェリナ・ピレッジ(Evelina Pileggi)役 アンナ・ボナイウート(Anna Bonaiuto)1950年1月28日生まれのイタリア人女優

マーラ(Mara)役 ジュディット・デイビス(Judith Davis)1982年フランス生まれの女優、監督、脚本家。ソルボンヌ大学卒

 デ・ベリス(De Bellis)役 アンドレア・レンジ(Andrea Renzi) 1963年2月7日生まれのイタリア人俳優

大統領役 マッシモ・デ・フランコヴィッチ(Massimo De Francovich) 1936年1月8日生まれのイタリア人俳優

Arrighi役 レナート・スカルパ(Renato Scarpa) 1939年9月14日ミラノ生まれのイタリア人俳優

Furlan役 ジャンリコ・テデスキ(Gianrico Tedeschi)1920年4月20日ミラノ生まれのイタリア人俳優

ムング(Mung)役 エリック・グエン(Eric Nguyen)1967年8月29日フランス・パリ生まれ。俳優

Photos:IMDb

『ローマに消えた男』クリエイター

監督 ロベルト・アンド(Roberto Andò)

プロデューサー Angelo Barbagallo、Gaetano Daniele
脚本 ロベルト・アンド(Roberto Andò)、アンジェロ・パスキーニ(Angelo Pasquini)
音楽 マルコ・ベッタ(Marco Betta)
 マウリジオ・カルヴェシ(Maurizio Calvesi)

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